S&P 500、ASX 200、Fed(米連邦準備制度)、決算、中国のロックダウン、テクニカル分析によるアジア太平洋地域インデックスに関する概要



月曜日の米国金融マーケットの取引セッション概要
マーケットセンチメントは月曜日の米国金融マーケットの取引セッション終了時に持ち直しました。S&P 500は、寄り付きから約1.6%下落した後、後場の反発で0.57%高の終値となりました。これは、ナスダック100が1.36%、ダウ平均株価が0.7%上昇したためです。米国債10年利回りが低下したため、 ナスダック/ダウ比率を押し上げました(ハイテク銘柄で構成するナスダック100は金利低下が追い風になります)。
0.5%の金利引き上げを3回実施する見通しにより、マーケットの価格が好調だった一週間を経て、Fed(米連邦準備制度)が積極的な金利政策(タカ派)をおこなうことへの予想が弱まっている可能性を示唆しているかもしれません。S&P 500のパフォーマンス上位3セクターは、通信サービス(1.53%)、情報技術(1.44%)、一般消費財(0.78%)となっています(以下表を参照)。
おそらくトレーダーは楽観的な決算発表を歓迎したのでしょう。ブルームバーグによると、S&P 500構成企業の売上高は1.12%、収益は7.03%ほどマーケット予想より上の数値を記録しています。ただし、ほとんどの企業はまだ決算を発表しておらず、先週のNetflixの決算により株価が大幅に下落したため、ハイテク企業に注目が集まっています。
2022年4月25日 S&P 500 セクター別内訳

データ出所: ブルームバーグ
テクニカル分析によるS&P 500
4時間足チャートにおけるS&P 500先物の日中の反転で、先週末からの短期下降トレンドラインを上抜けています。これはブリッシュ・エンガルフィング(陽の包み足)のローソク足パターンに続いて、さらなる上昇を示唆している可能性があります。さらに上昇すると、S&P 500は3月下旬からの下降トレンドラインまで上昇するかもしれません。そうでなければ、下降トレンドの再開によって、4101〜4138のサポートゾーンが目標となるでしょう。
テクニカル分析入門
ローソク足パターン
推薦者: Daniel Dubrovsky
4時間足チャートによるS&P 500

火曜日のアジア太平洋地域の取引セッション
米国金融マーケットの後場での反転は、火曜日のアジア太平洋地域の取引セッションに比較的ポジティブなムードを与えるでしょう。経済指標はやや精彩を欠いており、中国と新型コロナウイルス対策に焦点が当てられています。中国政府は北京での大規模な検査を今月末まで12地区に拡大しました。したがって、オーストラリアのASX 200は両国の貿易関係が緊密であるため、特に不安定な状況が続いており、月間の最安値まで落ち込みました。ただし、将来的にはオーストラリアに対する欧州の輸入需要が増加することで、経済を支えることができるでしょう。



テクニカル分析によるASX200
ASX 200は3月以降の上昇トレンドラインを下抜けて下落を続け、200日単純移動平均線を割り込む結果となりました。これにより、オーストラリア株式のベンチマークとなる指数にさらなる影響を与える可能性があります。7322のサポートラインを抜けると、3月17日の安値7277が見えてきて、先月の安値が注目され始めるでしょう。また、200日単純移動平均線を上回っても、7416のサポートラインが新たなレジスタンスラインとなり、上昇が跳ね返されてしまうかもしれません。
4時間足チャートによるASX200

DailyFX.comストラテジスト ダニエル・ダブロフスキー著
ダブロフスキー氏に連絡するには、下のコメント欄を使用するか、Twitterで@ddubrovskyFX までお願いいたします。
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