ユーロ、豪ドル、ユーロ/豪ドル、ヨーロッパ、ロシア、オーストラリアに関するアナリストの見解
- ユーロは豪ドルの第2四半期において不安定なままかもしれない
- 4時間足チャートによるユーロ/豪ドルのアセンディングトライアングルに注目
- 下方向へのブレイクアウトは、2017年に付けた安値を目指す可能性がある



ファンダメンタルズ分析によるユーロ、豪ドル
欧州がロシアから輸入する代替品を求めているため、第2四半期においてユーロは豪ドルに対して不安定な可能性があるでしょう。今年初めのロシアによるウクライナ侵攻により、EUはロシアの化石燃料への依存から脱却するための措置を講じてきました。よって、短期的には非再生可能エネルギーへの需要を高めるかもしれません。
欧州はエネルギー以外にも、ロシアから小麦や鉄鉱石を輸入しています。そこで、オーストラリアに焦点が当たります。オーストラリアは鉄鉱石と石炭において世界最大の輸出国であり、さらに小麦の輸出では世界6位です。そのため、EUは将来的にロシアからの輸入品をオーストラリアに代替する可能性があります。
その結果、輸出量が増加し、資本流出を生み出すため、オーストラリア経済を活性化できます。したがって、欧州中央銀行が直面する困難な状況で舵取りを迫られる中で、RBA(豪中銀)がより金利政策に積極的になる可能性があります。
RBA(豪中銀)のフィリップ・ロウ総裁は、ウクライナがインフレ見通しの不確実性を高めていると述べましたが、RBA(豪中銀)は最近、金利政策により積極的な姿勢を取っています。マーケットは現在、6月のRBA(豪中銀)理事会にて最初の利上げを実施すると予想しています。



日足チャートによるユーロ/豪ドル
日足チャートを見ると、ユーロ/豪ドルは2月初旬に高値を付けて以来、下落トレンドが続いています。しかし、直近のモメンタムは鈍化しています。直近のレジスタンスラインはフィボナッチエクステンション38.2%のラインである1.4694付近です。安値の主要なサポートラインは、2022年の安値1.4320に届く手前の中間点1.4498であるように見えます。
上方向にブレイクアウトをすると、50日単純移動平均線(SMA)が意識され、その後、下降バイアスが復活する可能性があります。1.4936のフィボナッチエクステンション23.6%のサポートラインは、3月下旬の高騰として注目のポイントにもなっています。下降トレンドが続くと、2017年の安値(1.3627-1.3711)が見えてきます。1.3711に到達する場合、1.4022のフィボナッチエクステンション78.6%のラインを下抜けることが必要です。

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4時間足チャートによるユーロ/豪ドル
4時間足チャートを拡大すると、潜在的なアセンディングトライアングルが形成されていることがわかります。4月上旬から続く上昇トレンドラインから下方へのブレイクアウトは、下降トレンドの再開を引き起こす可能性があります。反対にトライアングル上方へのブレイクアウトが起きれば、3月下旬に付けた1.4942への到達が見えてきます。

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DailyFX.comのストラテジスト ダニエル・ダブロフスキー著
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