ドル、米ドル指数、2002年高値、稀なトレンド - 週間テクニカル分析見通し
- ドルは、先週初めの上昇分をほぼ帳消しにした
- 目先の下降トレンドが焦点、200日SMAに注目
- 4時間足チャートでは下降ウェッジのチャートパターンが示現
ドル相場のテクニカル分析見通し - やや弱気
先週のドル相場は結局、先々週とほとんど変わらない水準で取引を終えたが、とりわけ、月曜と火曜に上昇した分を維持できなかったことが目に付いた。これは恐らく、9月末から続く下降トレンドの進行を示唆していると思われる。実際、ドルは2010年夏以来、最もパフォーマンスの悪い四半期になりそうである。
相場下落により、米ドル指数はついに長期200日単純移動平均線(SMA)を試し、下抜けた。しかし、その後は8月安値104.64付近でもみ合っており、やや精彩を欠いた足踏み状態となっている。もちろん、そのすぐ下には、6月中旬にサポートとして機能した103.41-103.93のゾーンがあるのは言うまでもない。
103.41-103.93のゾーンの下抜けが確認されれば、全般的に堅調だった今年のドル相場の動きを反転させる明確な転換点となる可能性がある。相場の下落入りを示すと言われるデッドクロスが11月に示現してから、短期の20日・50日SMAはともに下向きのまま推移している。この2本のSMAは、上昇に転じた際は重要なレジスタンスとして機能しそうである。次に、4時間足チャートに注目し、今後1週間に予想される動きを見てみよう。
米ドル指数 日足チャート
資料:TradingView
4時間足チャート
4時間足チャートを詳しく見てみると、米ドル指数は、下降ウェッジパターンの境界ライン内で取引されているようだ。このままラインの内側にとどまれば、下降ウェッジのサポートラインとレジスタンスラインが下方向へ誘導し、ドルはゆっくりと下値を目指すことになりそうだ。
しかし、上方にブレイクした場合、目先の下落トレンドが反転する可能性がある。主要なレジスタンスは、フィボナッチ・エクステンション23.6%の水準106.15と思われる。これを上抜けると、11月21日の高値107.99が意識されるだろう。当面のサポートは104.113になりそうである。この下には下降ウェッジのサポートライン、61.8%水準の103.16が控えている。
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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