ドル、対シンガポールドル・インドネシアルピア・タイバーツ・フィリピンペソ – 東南アジア通貨のテクニカル分析見通し
- ドルは、東南アジアの通貨に対して脆弱な状態が続いている
- 対シンガポールドル、インドネシアルピア、タイバーツではモメンタムが加速
- 対フィリピンペソでの下げは比較的抑えられているが、サポートのブレイクアウトを見据える展開となっている
シンガポールドルのテクニカル分析見通し - 強気
米ドルは、シンガポールドルに押され続けている。米ドル/シンガポールドルは先週、続落し、下落率は1.48%となった。これはシンガポールドルが対米ドルで、2021年1月以来の高水準を付けたことを意味する。そのため、価格は重要な1.3158-1.3190のサポートゾーンに直面している。モメンタムは引き続き強く、このゾーンを下抜けると、下降トレンドが加速し、フィボナッチ・エクステンション100%の水準1.3005が意識される展開となりそうだ。
米ドル/シンガポールドル 日足チャート
資料:TradingView
インドネシアルピアのテクニカル分析見通し - 強気
インドネシアルピアは先週、ドルに対して1.28%上昇した。これは、ドル/インドネシアルピアが15,379から15,800のもみ合いゾーンからようやく抜け出したことを意味する。価格は100日単純移動平均線(SMA)を割り込み、下降トレンドが再開する可能性が出てきた。主要なサポートは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準15,089である。その下には、78.6%の水準14,904が控えている。一方、上昇局面では、100日SMAが新たにレジスタンスとして機能する可能性がある。
ドル/インドネシアルピア 日足チャート
資料:TradingView
タイバーツのテクニカル分析見通し - 強気
タイバーツは、ドルに対して上昇し続けており、先週のドル/タイバーツは0.86%下落した。これにより、価格は2022年3月以来の安値水準で取引を終えた。2022年3月31日の安値33.19を割り込むブレイクアウトが確認されたことにより、2022年の底値である32.088が当面のサポートとして意識されることになりそうだ。価格は20日および50日SMAから急ピッチで遠ざかっており、この動きに伴ってモメンタムは加速している。これにより、SMAがレジスタンスとして機能する前に、価格が反発する可能性のある幅広いゾーンが残される展開となっている。
ドル/タイバーツ 日足チャート
資料:TradingView
フィリピンペソのテクニカル分析見通し - やや強気
フィリピンペソも対ドルで上昇したが、上昇率は0.18%と、他の東南アジア(ASEAN)通貨に比べ、上昇は抑えられた。価格は55.08-55.41のサポートゾーンを下抜けたが、少しさえない展開となっている。RSI(相対力指数)は強気のダイバージェンスのままで、下降の勢いは弱まっていることを示している。強気のダイバージェンスは時に、価格の上昇に先行することがある。とはいえ、価格は20日および50日SMAを依然として下回っている。ドルの当面のサポートはフィボナッチ・エクステンション38.2%の水準54.706、その下には54.221のミッドポイントが控えている。
ドル/フィリピンペソ 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。