※2023年3月24日9時25分更新。
天然ガス、下落、商品-トーキングポイント



天然ガス価格の下落が際立つ
昨日の米国株式市場は上昇した。米債利回りの低下を受け、グロース銘柄の多いハイテク株が上昇したことやイエレン米財務長官が「預金保護のために追加的な措置を講じる用意がある」と発言したことが安心材料となった。一方商品市場はまちまちの展開となった。FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受け、米金利低下の流れが続き、金利が付かない金は相対的な魅力度が増したことから上昇した。一方、米政府による石油戦略備蓄の補充は時間がかかるとの見方が広がり、米国の需要伸び悩み懸念から、原油価格は下落した。原油価格と相関が高い天然ガス価格も下落した。
天然ガス価格は、昨年夏以降、欧州の暖冬、世界的な景気減速懸念により需要が低迷するとの観測等を受け下落基調を辿っている。23年2月以降は安定化の兆しが見えていたが、3月に入り再び緩やかな下落基調となっている。その他の商品と比べて下落が目立つ中、今後の天然ガス価格の見通しは?

資料:Trading Economicsより作成。日本時間24日7時のデータを使用。
天然ガス価格:下落トレンド継続
日足チャートで見ると、弱気のチャートパターンであるヘッドアンドショルダー(三尊天井)が昨年10月から12月にかけて形成されており、その後下落基調を辿っている。5,20,200移動平均線は全て下向きであり、先週短期の5日移動平均線が20日移動平均線を下抜けるデッドクロスが発生しており、下落トレンドに弾みが付いている。また、MACDラインがシグナルラインを下抜けており、一段の下落を示唆している。RSI(相対力指数)は38とまだ売られ過ぎの水準とは言えず、今後も下落トレンドが継続する見込み。まずは2月の安値である1.967を下方ブレイクするか注目したい。ブレイクした際には、2020年の安値1.44が視野に入る。
天然ガス価格日足チャート

資料:Trading Viewより作成
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著