天然ガス、三尊天井、同時線 - テクニカル分析
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週足チャート - ヘッドアンドショルダーのブレイクアウトが引き続き焦点に
天然ガス先物は、5週続落しそうな勢いで下落しており、テクニカル指標面から目先の反転を示唆する兆候はほとんど見られないように思われる。5週連続で下落すれば、昨年9月中旬以来、最長の続落となる。週足チャートでは、2021年12月の安値3.536の下方ブレイクを確認しているところで、2020年の底値が視野に入ってきている。
価格は、弱気のチャートパターンであるヘッドアンドショルダー(三尊天井)が示現した際に想定される下降の動きが続いており、1.44-1.61のサポートゾーンに近づいている。天然ガスは2022年後半にこのパターンを下抜けし、今月上旬に下方ブレイクアウトが確認された。これにより、2022年夏以降の主要な下降トレンドが再開される可能性が出てきた。
資料:TradingView
日足チャート – 同時線に意識を向ける
日足チャートをよく観察してみると、19日に同時線のローソク足パターンが示現していることが分かる。同時線は、トレンド相場における投資家の迷いと方向性の変化の可能性を示唆している。今回の場合、同時線は下降局面で現れたため、モメンタムが反転し、反発の準備が整い始めていることを示す初期のサインである可能性がある。しかし現時点で、そのような確証はまだ得られていない。
今後、値を切り上げていけば、反転の可能性があり、その場合は20日単純移動平均線(SMA)が視野に入ってくるだろう。ただ、20日SMAが重要なレジスタンスとして機能し、下降トレンドを復活させるかもしれない。たとえ価格がしっかり上昇したとしても、昨年8月を始点とする下降トレンドラインも大きな壁となっており、トレンドは下向きのままとなる可能性も否めない。このように、下降トレンドが完全に終了するまでに、もみ合いとなる余地は十分に残されている。
2021年5月の変曲点3.15が当面のサポートとなりそうだ。この水準を下回ると、下降トレンドが再開され、フィボナッチ・エクステンション100%の水準2.326が意識されることになる(下図参照)。RSI(相対力指数)では、ダイバージェンスの発生は見られず、モメンタムは依然として下向きであることが示唆されている。
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。