※2023年8月16日10時16分更新
金、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 - IGCS によるアップデート
- 金価格の下落率は2月以来最大となりそうだ
- 個人トレーダーは引き続きネットロングを増加している
- 金/ドルはトレンドラインを下方ブレイクした後、下落リスクが高まっている



金先物相場は今月これまでのところ、米国債利回りの上昇とドル高に圧迫され、約3.2%下落している。このまま軟調に推移し続ければ、金/ドルの下落率は2月以来最大となる可能性がある。これに対し、個人トレーダーは買い持ちを増やし続けている。トレーダーのポジション状況はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSは逆張り指標として機能する傾向があり、金相場がさらに下落する可能性を示唆している。
金相場のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、金を取引する個人トレーダーの約80%がネットロング(金を買い持ち)にしている。大半のトレーダーがネットロングに傾いているため、価格はこの先も下降し続ける可能性がある。ネットロングのポジションを昨日と先週で比べると、2.72%、6.46%それぞれ増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、金相場の逆張り取引バイアスはさらに弱気に傾いていると考えられる。
金/ドル 日足チャート
日足チャートを見ると、金相場は2月からの上昇サポートラインを割り込んだ後、下落基調が続いている。これは、昨年末から4月上旬にかけて発生した上昇トレンドからの転換を意味する。この点を考慮すると、テクニカル面からは弱気な見通しが強まっている。
当面のサポートはフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1,903である。このポイントを下回る終値が確認されれば、中間点1,848が意識される展開となろう。一方、上昇に転じた場合は、4月からの下降トレンドライン(赤の実線)を注視されたい。このラインがレジスタンスとなり、短期的に上値が抑えられる可能性がある。
資料:TradingView



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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