※2023年5月19日9時25分更新。
Gold、Bitcoin、米ドル円、BTC/USD、組み合わせ、IG顧客センチメント―トーキングポイント



金とビットコイン価格のレンジ相場が継続しているが、個人トレーダーは金価格に強気な見通しだ。これはIG顧客センチメント(IGCS)を見れば分かる。IGCSは時に逆張り指標として機能することがある。個人トレーダーが強気なことは、金価格にとって弱気のシグナルである。詳しく見てみたい。
金とビットコインのレンジ相場が継続
金及びビットコイン価格が頭打ちになっている。有限の資産である金とビットコインが連動して動いている。金は史上最高値を更新し、1トロイオンス当たり2,082ドルを付けた後、2,000ドル前後で推移している。ビットコインも一時3万1,000ドルを突破後、26,000~29,000ドルで推移しており、両資産ともレンジ相場が続いている。
金&ビットコイン:年初来パフォーマンス

資料:Trading Economics。2022年末を100として指数化。米ドル建。
金のセンチメント見通し:弱気
IG顧客センチメント(IGCS)によると、金を取引する個人トレーダーの約69%がネットロング(金を買い持ち)にしているため、逆張り指標の観点では価格は低下する可能性を示唆している。また、ネットロングのトレーダー数が昨日から5.25%、先週から28.58%増加している。IGCSは逆張り指標として機能することを考えると、金価格は低下する可能性がある。
IG顧客センチメント:金




資料:IG顧客センチメント
金価格のテクニカル分析:弱気
3月後半以降レンジ相場が続いている。9日指数移動平均線は下向きかつ20日指数移動平均線を下抜ける弱気の「デッドクロス」が示現しており、金価格の下落圧力が強いことを示唆している。RSIも下落トレンドを示唆する50割れに転換している。水平サポートライン:1,935ドルへの下落が視野に入る。
金価格日足チャート

資料:Trading View
ビットコイン価格(BTC/USD)のテクニカル分析:弱気
金価格同様3月以降レンジ相場続いている。RSIは50を下回っており、下落トレンドを示唆している。9日指数移動平均線が20及び50日指数移動平均線を下抜けており、金価格の下落圧力が強いことを示唆している。水平サポートラインである25,800ドルへの下落が視野に入る。
ビットコイン(BTC/USD)価格日足チャート

資料:Trading View
ビットコインと米ドル円の組み合わせ
ビットコイン価格に対して弱気であるが、ビットコインと一緒に組み合わせる資産として円の魅力が高まっている。最近ビットコイン価格と米ドル円の間に逆相関の動きが見られる。ビットコイン価格が上昇した際に、米ドル安円高進行、ビットコイン価格が低下した際に、米ドル高円安が進行する傾向がある。ビットコインが下落した際には米ドル買い・円売りのポジションを併せ持つことで、ビットコイン価格の下落による損失を和らげる効果が期待できる。具体的に、ビットコイン価格の低下により損失を被るものの、米ドル高円安が進行することで米ドル買い・円売りのポジションからは利益が享受できる可能性がある(※)。




資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
※ビットコイン価格と米ドル円の関係は最近の値動きに基づくものであり、将来もこの関係が維持される保証はありません。そのため、ビットコイン価格下落の際に、米ドル買・円売のポジションからの利益が保証されるものではありません。
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著