※2023年5月2日11時09分更新
金、銀、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート
- 金・銀相場は引き続き、小幅ながら下値を目指す展開
- 個人トレーダーは現在、強気な姿勢を強めている
- これは、金/ドル、銀/ドルが下落するという警告だろうか?



金と銀の先物相場は、昨年末からの全般的な上昇トレンドが一服し、ここ数週間、小幅ながら下値を目指す展開となっている。IGクライアントセンチメント(IGCS)によると、この状況に対し、個人トレーダーは最近、買い持ちを増やすことで対応している。IGCSは逆張りの指標として機能する傾向がある。このことを鑑みると、金/ドルと銀/ドルはさらに下落する可能性があるのだろうか?
金相場のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、金を取引する個人トレーダーの約63%がネットロング(金を買い持ち)にしている。売り持ちより買い持ちのトレーダーの方が多いということは、価格がこの先、下落する可能性を示唆している。一方、ネットショートのポジションは、昨日、先週に比べ、それぞれ3%、12%減少している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変化(日次、週次でのポジションの変化)は、金相場がさらに下落する可能性があることを示唆している。
金/ドル 日足チャート
テクニカル面では、金相場は4月初旬に示現した弱気なローソク足パターンである陰の包み足(抱き線)の余波を受け、下げ幅を拡大する展開が続いている。価格は20日単純移動平均線(SMA)を割り込んでおり、100日SMAを維持できるかどうかが焦点となっている。100日SMAがサポートとして機能すれば、価格は再び上向きとなる可能性がある。上昇に転じた場合は、2022年の高値が意識されるだろう。
資料:Tradingview



銀相場のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、銀を取引する個人トレーダーの約65%がネットロング(銀を買い持ち)にしている。売り持ちより買い持ちにするトレーダーの方が多いため、価格がこの先、下落する可能性があることが示唆されている。一方、ネットショートのポジションは、昨日、先週に比べ、それぞれ7.56%、38.89%減少している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変化(日次、週次でのポジションの変化)は、銀相場がさらに下落する可能性を示唆している。
銀相場も、弱気なローソク足パターンである陰の包み足(抱き線)の余波を受け、下げ幅を拡大する展開が続いている。進行は遅いが、価格は短期的な20日SMAを下回る水準にある。2月2日の高値からの変曲点24.628が重要なサポートとなっており、3月末以降、ずっと下値を維持しているようだ。このポイントを割り込むと、さらに下げ幅を拡大する可能性が出てくる。
銀/ドル 日足チャート
資料:Tradingview
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。