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英ポンド相場見通し 2023年第3四半期:ポンドドルは押し目がチャンスに

英ポンド相場見通し 2023年第3四半期:ポンドドルは押し目がチャンスに

ニック・コーリー, シニアストラテジスト

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ファンダメンタルズ分析による第3四半期の英ポンド相場(為替)の見通し:金利と景気後退

英ポンドはイングランド銀行(BOE、英国中央銀行)が依然として高いインフレ率を抑えるために金利を引き上げるだろうとの期待から、第2四半期を通して上昇した。英中銀によるこれまでのガイダンスでは、インフレ率は第2四半期中に低下し始め、さらに急落も考えられ、利上げペースは今年後半にかけて緩和される可能性があるとしていた。エネルギー価格の下落への期待とエネルギー価格保証(EPG)の延長により、物価上昇圧力は‘大幅に’低下すると見られていた。しかし、エネルギー価格の低下に対し、食料品の価格は依然として高止まりしており、同時に英国の雇用市場は堅調さを保ち、失業率は数十年来の低水準に近づいている。

英国のインフレ率は第2四半期に低下したが、予想ほどではなかった。総合インフレ率は3月の10.1%から4月は8.7%と低下したものの、5月もその水準にとどまった。英中銀のベイリー総裁にとってはさらに深刻なことに、コアインフレ率は3月の6.2%から4月は6.8%に上昇し、5月には7.1%へと再び上昇し、1992年3月以来の高さとなった。

英国のコアインフレ率

出所:トレーディングエコノミクス、チャート作成:ニコラス・コーリー

インフレがいつまでも高止まりしているため、英中銀はそれが収まるまで利上げを続けなければならないだろう。英中銀は、政策金利を4.5%から過去15年間で最も高い水準である5%に引き上げた。そして今後数カ月のマーケットの金利予想を見ると、英国の借入コストは年末までにさらに100ベーシスポイント(1ベーシスポイント=0.01%)上昇する可能性がある。

マーケットが予想する利上げ確率

出所:Refinitiv、チャート作成:ニコラス・コーリー

このような借入コストの上昇は、英住宅金融組合と銀行にとって金融市場での資金調達コストが法外であると判断されており、英国の住宅ローンセクターにも影響を及ぼしている。2年固定金利は2021年10月の2.6%程度から5.6%以上へと上昇しており、一方で5年の住宅ローン金利は同期間に2.5%未満から6%を試している。今後数カ月の間に、固定金利の住宅ローンを借り換えなければならない人々の住宅ローン費用は急騰が予想され、個人消費は大きな打撃を受けるだろう。そして、それは今後数カ月間英中銀に問題をもたらすことになる。

英国経済は今年の第1四半期と2022年第4四半期に0.1%拡大し、テクニカル・リセッション(実質GDP成長率が2四半期連続でマイナスになること)の懸念を払拭した。しかし、生活費が上昇を続けるなかで消費者はポケットにしっかりと手を入れているため、今後数カ月間、この微々たる成長は圧力をかけられるだろう。英中銀は間もなく、インフレを抑制するために金利をこれまで以上に引き上げるか、英国経済が成長を続けられる水準に金利を据え置くかの選択に迫られる可能性がある。すでに疑問視されている英中銀のメッセージは、明確で真実味があるものでなければならない。インフレ率が‘大幅に’低下することを望むという選択肢はない。

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