スウェーデンクローネ、ユーロ/スウェーデンクローネ、ドル/スウェーデンクローネ、ノルウェークローネ、ユーロ/ノルウェークローネ、ドル/ノルウェークローネ - トーキングポイント
- スウェーデンクローネは、スウェーデン中銀の利上げ実施後に上昇した
- 北欧の中銀は、他の中央銀行と同様、インフレ対策を講じている
- スウェーデン中銀がタカ派的な姿勢を維持すれば、スウェーデンクローネはさらに上昇するか?
トレードに役立つメール配信サービス
DailyFXからタイムリーで国内外のマーケット情報を受け取ることができます。
スウェーデン中央銀行は9日、政策金利を2.5%から3.0%に引き上げ、声明では、今後さらなる引き締めを実施する公算が大きいことを示した。これによりスウェーデンクローネ(SEK)は急上昇した。
金融政策決定会合前、市場は「利上げは見送られる」との見方に傾いていたが、会合でスウェーデン中銀は、次回4月とそれ以降の会合でさらなる利上げを実施するとの考えを示した。
同行は、インフレ率が依然として高すぎると指摘した。スウェーデンの昨年12月消費者物価指数(CPI)は前年比12.3%上昇し、同期間の卸売物価指数(PPI)は同18.7%の上昇となるなど、インフレが猛威を振るっている。
ドル/スウェーデンクローネは昨年10月に史上最安値11.4964を記録したが、その後10%程度回復している。しかし一方で、ユーロ/スウェーデンクローネは6日に13年ぶりの高値となる11.4425を付けた。スウェーデン中銀は国内通貨安が輸入インフレにつながりかねない問題を認識していると述べた。



今回の利上げは大方の予想通りだったが、世界で最も古い中央銀行(1668年設立)は、保有資産の減少ペースを速める計画も明らかにした。
同行は、原則として量的引き締め(QT)を通じて保有国債の売却を継続する。
欧州中央銀行(ECB)も先週、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ、ECBの高インフレとの戦いを続ける意思が再確認された。ECBはまた、今後の会合でも同様規模の引き上げを実施する可能性があることを示唆した。
隣国ノルウェーの通貨も同様に上昇し、ユーロ/ノルウェークローネ(NOK)は今週前半に付けた27カ月ぶりの高値から大きく値を下げた。
ノルウェー中央銀行は1月の会合で、政策金利を2.75%に据え置いた。3月下旬まで会合は開催されない。スウェーデンやユーロ圏が直面しているようなインフレ問題は、ノルウェーには起こっていない。
ノルウェークローネは、ノルウェーが大量のエネルギーを輸出しているため、グローバルな市場のセンチメント動向に影響されやすい。原油価格は、今週前半に2カ月ぶりの安値から回復したが、9日に値を下げた。
世界中の多くの国がインフレを鎮静化しようとしている。中央銀行の金融政策の舵取りは、今後も為替相場の動向に大きな影響を与える可能性がある。
ユーロ/スウェーデンクローネ(SEK)、ドル/スウェーデンクローネ、ユーロ/ノルウェークローネ(NOK)、ドル/ノルウェークローネ

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
マッカーシー氏に連絡するには、Twitter で @DanMcCathyFX までお願いいたします。