米ドル上昇で円は大幅下落、豪ドルトレーダーは豪中銀の動きに注目
2022 12 06, 午前 12:00 +00:00このページの内容
円、米ドル/円、米ドル、米ISMサービス業、豪中銀、豪ドル/米ドル - APAC市場寄り付き
アジア太平洋地域(APAC)市場まとめ - 円、米ドル、ISM景況感指数
週明け5日の円相場は、主要な通貨に対して幅広く下落した。実際、米ドル/円は約1.8%と大きく上昇した。2020年以降の1日の平均パフォーマンスを見てみると、5日の動きは平均からの標準偏差が+3以上である。つまり、このような事象は非常に稀であり、どちらかに振れすぎている相場がようやく正当な水準に戻ろうとする際に発生することが多い。
下図を詳しく見てみると、S&P 500先物が弱含み、米国債利回りが上昇した中、米ドル/円は終日、上昇したことが分かる。資金の安全な逃避先と見られている米ドルも5日は急上昇した。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した11月のサービス業(非製造業)景況感指数が56.5と、予想外に上振れたことがその一因とされている。10月は54.4だった。
ISMの発表でサービス消費の底堅さが示されたが、先週末に発表された非農業部門雇用者数(NFP)も予想以上に強い内容だった。米連邦準備制度理事会(FRB)は来週の金融政策発表までブラックアウト期間(FRBの関係者が金融政策に関して踏み込んだ発言をしてはならない期間)が続くため、市場はよりタカ派的な金融政策への期待を織り込んでいるように見える。そのため金価格は当然ながら弱含み、金/米ドルは1.61%下落している。
12月5日の米ドル/円、S&P 500先物、米10年債利回り
資料:TradingView
12月6日のAPAC市場 – 豪中銀とリスク志向に注目
上記のことを考慮すると、S&P 500種株価指数 の下落は、6日のアジア太平洋地域(APAC)の相場が弱含みとなることを示唆しているのかもしれない。そのため、オーストラリアの代表的な株価指数であるASX 200指数は下落のリスクがあり、オーストラリア準備銀行(中央銀行)による金融政策の決定を見極めたい様子見ムードも広がりそうだ。豪中銀は政策金利を2.85%から3.1%に引き上げると市場は予想しており、緩やかな引き締めペースが続くと見られている。10月のインフレ率がやや軟化したことも、利上げペースを緩める材料になっている可能性がある。これは、ASX 200指数には好材料である一方、豪ドルには不利に働きそうである。
円相場のテクニカル分析
日足チャートで、米ドル/円は陽の包み足(抱き線)が示現している。さらなる上値水準への突破が確認されれば、10月中旬以降の下降トレンドが反転する可能性がある。ただ、20日単純移動平均線を注視されたい。この移動平均線がレジスタンスとして機能し、下落圧力が維持される可能性は否めないからだ。フィボナッチ・リトレースメント78.6%の水準である135を割り込むと、下降トレンドが再開するかもしれない。
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米ドル/円 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。
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