日本円のファンダメンタルズ予測:弱気 FXは金融引き締めをする主要国と緩和を続ける日本に注目



日本円は対米ドルで2002年2月以来の円安水準まで下落し、1998年の水準まで残り1%にまで迫っています。日本円の急落は、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ対策に力を入れ始めた3月に始まりました。それ以来、パウエル議長は高騰するインフレを抑えるため、一連の利上げを積極的に実施してきました。その結果、米ドルのファンダメンタルズ面は強固なものになりました。
日本の金融政策は超低金利を維持しています。しかし、経済的にも黒田総裁の発言からも、金融引き締めの時期が近づいていることがわかります。黒田総裁は、消費者は物価上昇に寛容になっているという前言を撤回しました。円安は、すでに高コストなエネルギー資源の輸入の状況をさらに悪化させています。
ただし、日銀は他の主要国と比べて金融の正常化プロセスから大きく遅れているため、アナリストは日銀が金曜日の政策決定会合で現状維持を保ち、イールドカーブ・コントロール政策を変更しないと予測しています。インフレ率が目標の2%を超えて上昇しているにもかかわらず、OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)では、今後数回の政策決定会合を通じて金利変更の可能性はほとんどないことを示しています。
一方で日本の財政支出は、最新の年次経済財政報告にともなって増加する見込みです。岸田文雄首相は、政府の借入コストを削減するため、日銀がハト派的な姿勢を維持することを望むでしょう。また、ロシアのウクライナ侵攻による影響として、今後数年間は防衛費に対する意識も高まるはずです。その結果、日銀は金融引き締めを実施しにくくなるでしょう。総じて、日本円は下落し続ける可能性があります。

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--- DailyFX.com ストラテジスト トーマス・ウェストウォーター著
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