米国の景気減速懸念は一段と高まるか？主要国の中で利上げ停止の先陣を切ったカナダ中銀に注目
日本
植田日銀新体制が始動する。月末の初会合に向けて金融政策修正の思惑が高まる可能性がある。日銀が金融政策修正を実施した場合、昨年末から年初にかけて見られたように金融セクター中心に日本株が上昇する可能性がある（「日本株見通し：日銀による金融政策修正の影響は！？」参照）。
米国
米国では、インフレ率、生産者物価指数（PPI）、小売売上高、ミシガン大学消費者信頼感指数が発表される。その他、新規失業保険申請件数といった雇用指標も公表される。今週は雇用を中心に予想を下回る指標が相次いで発表され、米国景気の減速懸念が急速に強まっている。本日の米国雇用統計に加え、来週の経済指標の結果、米国の景気減速懸念やインフレ懸念が和らぐか注目。また、前回のFOMCの議事録が公表され、米国の金融不安に対するFOMCメンバーの見解や今後の金融政策見通しについてのヒントが得られる可能性がある。
資料：Trading Economicsより作成
カナダ
金融政策決定会合が開催。主要中銀でいち早く利上げ停止を実施し、金融市場では利下げが織り込まれている。一方、カナダの雇用市場・景気は堅調であり、最近の原油価格の上昇はカナダ景気の上昇圧力となる。利上げ停止スタンスに変化が見られるかに注目（「カナダドル見通し：戦いの火ぶたが切られた～カナダ中銀の陣」参照）。
資料：Trading Economicsより作成
豪州
雇用統計や消費者信頼感指数が公表。オーストラリア準備銀行（中央銀行）（RBA)は主要中銀の中でカナダ中銀に続き利上げ停止を決定した。雇用環境の引き締まりが示された場合、RBAの利上げ再開が視野に入ってくる可能性がある。
資料：Trading Economicsより作成
英国
月次GDPが公表される。英国景気は底堅く推移しており、最近の英ポンドの強さに繋がっている。GDPが強い数字となった場合、改めて景気の底堅さが確認され、英ポンド高に寄与する可能性がある。
資料：Trading Economicsより作成
ニュージーランド
PMIが公表。ニュージーランド準備銀行（中央銀行、RBNZ）は先日0.5％の大幅利上げを実施し、主要中銀が利上げ停止、もしくは利上げ停止が視野に入っている中、タカ派スタンスが目立つ中銀である。景気の下振れが意識されると、その他の中銀と歩調を合わせるように利上げ継続スタンスを弱める可能性があり、今後の景気の先行きを占う上で注目したい。
ニュージーランドPMI
資料：Trading Economics
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
