※2023年3月14日15時2分更新
金、金/ドル、ドル、FRB、SVB、ドル指数、米国債利回り - トーキングポイント
- 13日は不安定な値動きとなった金先物相場だが、14日は堅調に推移している
- 米国債利回りは高水準で推移していた反動から低下しており、ドルは軟化している
- FRBは来週、米CPI以外にも考慮すべきことがある。金/ドルの行方は？
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暗号資産（仮想通貨）を扱うシルバーゲート銀行の親会社である米シルバーゲート・キャピタルの事業閉鎖や米シリコンバレー銀行（SVB）、シグネチャー・バンクの経営破綻を背景に先行き不透明感がくすぶる中、13日の金先物相場は6週間ぶりの高値を付けた。
ドルは、米国債利回りの低下が続いていることから大きく下落している。米2年債利回りは先週付けた15年来の高水準である5%超から100ベーシスポイント超低下し、昨日は3.94%に達した。
短期債利回りは大幅低下しているが、残存期間が長めの米債券の利回り低下はそれほどでもない。金価格にとって重要なのは、実質利回りが低下したことで、特に10年物利回りは先週の高水準1.72%から1.16%に低下した。実質利回りは、物価上昇率を金利から排除するために、名目利回りからインフレ率を差し引いて計算した数値である。
金は利息のつかない資産なため、他の資産の利子減少は買い支え材料となることがある。
S&P 500種株価指数を基に価格変動率を算出するVIX指数同様、OVZ指数は金相場のボラティリティを示す指標である。当然ながら、最近の混乱を受けて市場が動く中、最近の貴金属相場の上昇もあり、OVZ指数は上昇している。
金先物オプション市場では、満期日1ヵ月、デルタ25％を標準として算出したリスクリバーサルが拡大した。これは、市場で金のプットオプションよりコールオプションを買う動きが強まっていることを示唆しており、資金の安全な逃避先として認識されている金に対する需要が高まっている可能性がある。
今夜（日本時間22時30分）発表される2月の米消費者物価指数（CPI）は、米銀行の破綻が明らかになる前に想定されていたほど米連邦準備制度理事会（FRB）の利上げ予想に影響を与えないかもしれない。金利先物市場では、先週織り込まれていた50ベーシスポイント（bp）の利上げではなく、現在は25bpの利上げ実施の可能性が70%となっている。
2月の米CPIが市場予想（前月比0.4％上昇）を下回った場合、来週のFRBによる利上げの可能性が低下する可能性もある。この場合、ドルには下落圧力がかかり、金の魅力は増す展開となるかもしれない。
金、ドル、米10年物実質利回り、ボラティリティ(GVZ)の比較
資料：TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
マッカーシー氏に連絡するには、Twitter で @DanMcCathyFX までお願いいたします。
