※2023年4月26日17時15分更新
金、金/ドル、ドル、米国債利回り、FRB、GVZ指数、ブレイクアウト - トーキングポイント
- 金相場はレンジ取引が続いている
- 今週は米国債利回りが低下しているが、インフレ期待は根付いている
- 今週後半発表のインフレ指標が予想外な内容となった場合、米実質利回りと金相場は動くのか?



米国債利回りが低下し、ドルが低迷する中、金先物相場は引き続き、史上最高値付近で推移している。
コモディティ商品の取引にはキャリーコストがかかるが、金相場はキャピタルゲインやキャピタルロス以外のリターンを生まないため、他の流動性の高い資産の金利動向に敏感に反応することがある。
今週の貴金属価格の動きでやや不可解だったのは、米実質利回りの低下が、金相場の新高値更新に向けての上昇の流れを後押ししなかったことだ。
実質利回りとは、米国債の名目利回りからインフレ率を差し引いたものである。このインフレ率は、米物価連動国債(TIPS)の利回りから算出される。
1週間前、米10年債実質利回りは1.35%を超えたが、今週は1.13%に低下し、金相場は1オンス=2,000ドル近辺で足踏み状態が続いている。
同時に、ボラティリティも落ち着いており、GVZ指数は18を下回る水準にとどまっている。GVZ指数は、VIX指数がS&P 500種株価指数のボラティリティを測るように、金相場のボラティリティを示す指標である。
今後、27日発表の米国内総生産(GDP)と米個人消費支出(PCE)コア価格指数が注目されるが、来週の今頃に開催されている米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が金相場を動かす大きな要因となるかもしれない。
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金、ドル指数、米10年債実質利回り、金のボラティリティ(GVZ)
資料:TradingView
金相場のテクニカル分析
金相場は約6週間にわたり1,934-2,049のレンジで推移しており、上昇トレンドチャネル内にとどまっている。
短期的な方向感の欠如は、価格が重要な水準である10日および21日単純移動平均線(SMA)付近で推移していることが一因でもある。
このレンジを抜けると、ブレイクした方向に勢いづくかもしれないが、どちらの方向に進んでも注目すべきサポートとレジスタンスが存在する。
上値では、2020年4月の史上最高値2,075と、2,070が高値だった2022年3月にそれを上方ブレイクしようとしたが頓挫した際の水準から形成されるダブルトップがある。
下降局面では、1,885-1,895のエリアが重要なサポートゾーンとなるようだ。このエリアには100日SMA、過去の安値、ブレイクポイント、上昇トレンドラインが含まれる。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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