金相場 – トーキングポイント
金先物相場は、先週から高値と安値を切り上げている動きに伴い、月間高値(1,775ドル)を更新したが、相対力指数(RSI)が70を上回る水準を維持できない場合、金価格は教科書通りの売りシグナルが点灯する可能性がある。
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金相場見通しに不透明感漂う、RSIに売りシグナルか
10月の米消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化したことを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が12月に実施すると見られている利上げの幅を縮小するとの観測が高まり、金先物相場は9月高値(1,735ドル)を突破した。米国債利回りに下押し圧力がかかっている限り、金相場は8月高値(1,808ドル)からの下落分を戻そうとする動きとなる可能性がある。
一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)において常に投票権を持つ常任メンバーであるラエル・ブレイナード副議長は、ブルームバーグニュースのインタビューで、「おそらく近いうちに、より緩やかな利上げペースに移行することが適切だろう」と認めながらも、米連邦準備制度理事会(FRB)には「金利上昇の抑制と、インフレ率を徐々に2%まで下げるという両面においてさらにやるべきことがある」と述べている。
ブレイナード氏の発言は、FOMCが制限的な政策を保持する中で、今後数カ月間は利上げを実施することを示唆している。ジェローム・パウエル議長らが、次回12月14日のFOMC会合で更新されるFOMC参加者の経済・金利見通し(SEP)を変更するかどうかが注目される。
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資料:CME
それまでは、FRBの利上げサイクル減速への期待感が金価格を押し上げる可能性がある。CMEのフェドウォッチによると、12月のFOMC会合で50ベーシスポイントの利上げを実施する確率は80%以上となっており、利上げペース鈍化に賛成の意向を示すFOMCで投票権を持つFRB高官が増えれば、目先の金相場は堅調な値動きが続きそうだ。
金相場は9月高値(1,735ドル)を突破し、今後は8月高値(1,808ドル)からの下落分を戻す動きとなるかもしれないが、RSIが買われ過ぎの領域から後退した場合は、教科書通りの売りシグナルが点灯する可能性も否めない。
金相場 日足チャート
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資料:Trading View
- 金相場は、高値と安値を切り上げながら9月高値(1,735ドル)を突破し、最近の上昇でRSI(相対力指数)は買われ過ぎの領域に入りつつある
- 1,762ドル(エクスパンション78.6%)から1,763ドル(リトレースメント50%)のエリアを上抜けると、金相場は8月高値(1,808ドル)に向かって上昇し、1,816ドル(エクスパンション61.8%)を上回る水準で終値を付けると、1,837ドル(リトレースメント38.2%)から1,847ドル(エクスパンション100%)付近にかけてのフィボナッチが重なるエリアが視野に入ってくる
- しかし、RSIが70を上回る水準を維持できなければ、教科書通りの売りシグナルが点灯する恐れがある。また、1,762ドル(エクスパンション78.6%)から1,763ドル(リトレースメント50%)にかけてのエリアを維持する勢いがない場合、金価格は1,726ドル(リトレースメント38.2%)付近まで押し戻され、次の注目エリアは1,690ドル(リトレースメント61.8%)から1,695ドル(エクスパンション61.8%)の付近となることが予想される
--- DailyFX.com 為替ストラテジスト デイビッド・ソン著
ソン氏に連絡するには、Twitter で@DavidJSongまでお願いいたします。