金、金/米ドル、米ドル、FRB、米実質利回り - トーキングポイント
- 米ドルが全面安となり、金は上昇
- 同時に米実質利回りは上昇を継続しているが、変化する可能性も
- 米CPIが市場予想とは異なる結果となった場合、FRBの政策対応が変化する可能性がある。金/米ドルはその影響を受けるか?



市場が注目する米国の消費者物価指数(CPI)の発表を間近に控える中、市場が最新の米CPIは全体的に物価上昇圧力の緩和を示すと予想していることを背景に、金先物相場は底堅く推移している。
8月の米CPIは、前月比横ばいだった7月に対して同0.1%の減少、前年同月比では8.5%上昇だった7月に対して同8.1%になると予想されている。
食品とエネルギーを除くコア指数は、前月比0.3%上昇と、前月と変わらない数値になると見られ、前年同月比では7月の5.9%上昇に対して6.1%上昇となると見られている。
市場は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で75ベーシスポイントの引き上げを予想しているが、物価圧力が緩和し続ければ、さらなる大幅利上げの可能性が疑問視されるようになってくる。
米CPIが低下傾向にあるという市場の見方は、株価上昇を促し、米ドルを軟化させた。
ジャクソンホール経済シンポジウムで、ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がインフレ抑制と物価安定実現への固い決意を表明した余波で、当初は米実質利回りが上昇し、金先物相場は下げに転じた。
ここ数営業日間の取引では、米ドルに下落圧力がかかる中、米実質利回りは上昇基調を維持している。下図に示すように、当面はドル安の方が金先物相場に影響を及ぼすようである。
きょう13日発表の米CPIが予想を大きく外れた場合、実質利回りの変動を引き起こし、それが再び金先物相場の動きに反映される可能性がある。
金先物 vs 米 10年債実質利回り、米ドル指数、ボラティリティ(GVZ)の推移

資料:TradingView
金先物 テクニカル分析
金先物は7月と8月に、2021年3月の安値1,677に肉薄したが、それぞれ1,681と1,689で下げ止まった。
この動きにより、1,675 – 1,690のエリアにサポートゾーンを設定した可能性がある。
この2つの安値を試す展開によって、ダブルボトムを形成したように見える。これを確認するためには、1,808を上回って推移する動きが必要となる。
この水準を上抜けた場合、2本の下降トレンドラインも上抜けたことになる。これらのトレンドラインは上値抵抗線となる可能性があり、現在は1,735と1,750にそれぞれ位置している。
21、34、55日単純移動平均線(SMA)もこのエリアにあり、直近の高値である1,765を前に、レジスタンスに重しを加えるかもしれない。

資料:TradingView
テクニカル分析入門
移動平均線
推薦者: Daniel McCarthy
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
マッカーシー氏に連絡するには、Twitter で @DanMcCathyFX までお願いいたします。