テクニカル分析による金相場の見通し:XAU/USDは今後も不確実性がある
2023年第2四半期、FRBが金融引締めに消極的な姿勢をとりつつあることで、金を取り巻くファンダメンタルズがシフトする可能性がある。とはいえ、コストプッシュインフレやディマンドプルインフレを引き起こすような経済のその他の要素が、FRBが取り組むべき物価の安定に向けたインフレ目標である2%の達成を困難なものにしているため、FRBが金融緩和へシフトしたと判断するのは時期尚早だと言える。
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XAU/USDのテクニカル分析を使った予測
金スポット価格 - 週足チャート

チャート作成:IG証券、ウォーレン・ベンケタス
金の長期的な週足チャートを見ると、1950.00ドルで引かれたレジスタンスライン(現在はサポートライン)を突破したのは今年2回目である。今回の上昇はより底堅いもので、2070ドルから2075ドルの水準(緑色)への上昇も十分に可能性がある。相対力指数(RSI)を見ると、相場の方向性とRSIの方向性の逆行が拡大することで、今後相場が弱気に転じる可能性を示す弱気のダイバージェンスの兆候が見られる。また、第2四半期初めは上昇傾向で推移すると予測するが、第2四半期末には1950ドルやそれ以下にまで引き戻される可能性が十分ある。また、50週移動平均線(黄色)と200週移動平均線(青色) については、ゆったりとした動きで近づいてデッドクロスし、XAU/USDは再びさらに下落する可能性がある。
金スポット価格 - 日足チャート

チャート作成:IG証券、ウォーレン・ベンケタス
上表の日足チャートを見ると、RSIは相場が買われ過ぎに傾いていることを示唆し、依然として短期的な傾向として弱気派に有利な状況である。この3ヶ月間(第2四半期)の予測は難しい上に、為替や金相場に影響を与える多くの重要な経済データがこれから公表されるため、長期的な見通しにはブレが生じる可能性がある。上記のテクニカル分析を定期的に見直すと同時に、新しいデータがマーケットに出る度に改めて考察することで、より正確な予測が見えてくるだろう。そして、第3四半期の金相場は、一段と激しい値動きながらも、一貫して1900ドル~2100ドルの範囲で推移するというのが、個人的な見解である。



主要なレジスタンスライン
-2070.00ドル~2075.00ドル
-2009.75ドル
-2000.00ドル
主要なサポートライン
-1950.00ドル
-1937.31ドル
-1900.00ドル
-1885.83ドル/50日 SMA(単純移動平均線)