※2023年5月12日14時20分更新
原油、WTI、ドル、米雇用統計、米PPI、FRB、FOMC、石油在庫 - トーキングポイント



ドル相場が米経済指標をプラス材料と捉え、上昇した中、原油先物相場は11日に下落したが、きょう12日のアジア取引開始時は底堅く推移している。
先週の米失業保険申請件数(5月6日終了週)は26万4,000件と、予想(24万5,000件)を上回ったが、4月の米生産者物価指数(PPI)の伸び率は前年同月比2.3%と、予想(同2.5%)、前月(同2.7%)をともに下回った。
米雇用データは労働需給の緩和を示し、PPIは消費者物価圧力がこの先、軟化するのではとの期待につながった。
両経済指標は、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げを停止するとの見方は正しいと再確認させたようだ。
11日にミネアポリス地区連銀のニール・カシュカリ総裁による発言があったにもかかわらず、先物およびオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場は、FRBによる9月の利下げを織り込んでいる。カシュカリ総裁は、米消費者物価指数(CPI)は低下しているものの、依然として高すぎるとの見解を示した。
米エネルギー情報局(EIA)が10日に発表した週間原油在庫統計も、原油価格を下支えた。5月5日に終了した週の原油在庫量は295万1,000バレル増加し、91万7,000バレルの減少という予想を大きく上回った。
バイデン米政権は今週前半、米国の戦略石油備蓄(SPR)を補充する一環として、早ければ来月にも原油の購入を開始する意向を示した。SPRは、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の上昇から生じたインフレ圧力に対処するため、放出が続いていた。
最新の原油価格はこちらでご確認いただけます。
WTI原油のテクニカル分析
今週のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は、10日に73.89の高値は付けたものの、73.93のブレイクポイントに位置するレジスタンスはブレイクできなかった。
これらの水準は、複数の単純移動平均線(SMA)を視野に入れつつ、引き続きレジスタンスとなる可能性がある。21日、34日、55日、100日の日足SMAはいずれも75.15-76.45の間に位置している。
これらのSMAが収束していることから、短期的にはさらなるレンジ取引となる可能性がある。
下降局面では、66.82、66.12、64.36のブレイクポイント、またはそのさらに下の水準に位置する過去の安値63.64、62.43、64.36がサポートとなりそうだ。
資料:TradingView



--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
マッカーシー氏に連絡するには、Twitter で @DanMcCathyFX までお願いいたします。