※2023年8月24日16時51分更新
原油、WTI、ブレント、FRB、パウエル議長、ジャクソンホール会議、米PMI、石油在庫統計 - トーキングポイント



23日のニューヨーク原油先物相場は、米経済指標が予想を下回ったことから下落し、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ今夜にも、より積極的なタカ派姿勢を後退させるのではとの憶測が広がった。
カンザスシティー地区連銀が主催する経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が今夜(日本時間)を皮切りに開催され、多くのFRB当局者が見解を示す。
中でも市場の大きな関心は、パウエルFRB議長の講演だが、議長講演は最終日の26日に予定されている。
このシンポジウムは、歴代のFRB議長が明確なメッセージを伝えるために利用してきた。市場がFRBの見解を誤って解釈していると見受けられる場合は特に重宝されている。
米S&Pグローバルが23日夜(米国時間)に発表した8月の総合購買担当者景気指数(PMI)は50.4と、7月および市場予想(共に52)を下回った。
内訳を見ると、市場が失望した大きな要因は、製造業PMIの低下だったようだ。8月の製造業PMI は47と、予想(49.3)と前月(49)を大幅に下回った。
PMIは事業活動量の前月比での変化についての回答から算出する拡散指数(ディフュージョン・インデックス)で、50を下回ると景気縮小、50を上回ると景気拡大とみなされている。
株式市場は「悪いニュースは良いニュース」というスタンスで、米国株はナスダックを筆頭に上げ幅を拡大し、現物株市場では1.59%の上昇となった。
しかし、原油相場は、米国の石油在庫が再び減少したにもかかわらず、需要が低下するとの見方から軟化したようだ。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫統計によると、8月18日に終了した週の石油在庫は613万5,000バレル減少と、予想(285万バレル減)よりも減少量が多く、前週(596万バレル減)に続く大幅な減少となった。
24日アジア時間には、米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は78.50ドルを割り込み、ブレントは82.50ドル割れが視野に入るなど、軟調な展開となっている。
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WTI原油先物のテクニカル分析
2週間前に上昇トレンドラインを下抜けた後、WTI原油先物は下げ続け、23日は100日単純移動平均線(SMA)を下回った。
こうした値動きは、弱気のモメンタムが進展していることを示している可能性がある。昨日は、ブレイクポイントとなり得るサポート77.33の手前まで下げた。その下には過去の安値73.82が控えている。
現在の価格水準から73.82までのエリアでは、55日SMAと100日SMAが75.50-75.80付近でサポートとなる可能性がある。
上値では、直近の高値81.75がレジスタンスとなるかもしれず、その後は83.40付近のブレイクポイント、過去の高値84.89が控えている。



資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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