※2023年6月2日14時04分更新
原油、OPECプラス、WTI、ドル、経済指標、米国債利回り - トーキングポイント
- １日のニューヨーク原油相場は３営業日ぶりに反発し、２日の取引では好地合いが引き継がれている
- OPECプラスのメンバー間で意見が分かれているため、6月の会合では何らかの動きが見られる可能性がある
- テクニカル指標が示唆するものとは。WTI原油先物は反発局面入りか？
１日のニューヨーク原油先物相場は、3週間ぶりの安値を付けた後、いくつかの堅調な経済指標やドル安が追い風となり、堅調な回復ぶりを見せ、大幅反発して取引を終えた。市場の関心は現在、今週末４日に開催される石油輸出国機構（OPEC）加盟・非加盟国で構成するOPECプラスの会合に向いている。
財新/S&Pグローバルが１日発表した５月の中国製造業購買担当者景気指数（PMI）は予想外の伸びを示した。31日に中国国家統計局が発表した5月の製造業PMIが振るわない結果だったため、これを補う形となった。日本の民間設備投資、米企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング（ADP）が発表した米雇用統計も同様に予想を上回る結果となった。ユーロ圏の消費者物価指数（CPI）が緩和され、市場ムードをさらに高めた。
すべての経済指標が好調だったわけではない。経済カレンダー全体はこちらでご覧ください。市場はまた、米債務上限合意を盛り込んだ債務上限停止法案は1日夜（日本時間2日午前）、上院で可決されると見込んでいるようだ。
決着がつくという見通しから米国債利回りは低下しており、何事もなく可決されれば、このまま低水準で推移する可能性がある。短期金利の指標となる米2年債は、1週間前に見られた高水準4.64%から約30ベーシスポイント低下した水準で取引されている。
ドルは幅広い通貨に対して下落し、特に世界経済の動向に連動しやすいオーストラリアドルが最大の恩恵を受けたようだ。工業用金属も1日に大きく上昇した。
原油市場では、今週日曜にウィーンで開催されるOPECプラスの会合が焦点となる。産油国メンバー間では、生産目標を巡って意見が対立している。
興味深いのは、メンバーの発言には一貫性がなく、4日の会合に大きな関心が寄せられていることである。4月上旬にOPECプラスは減産を発表し、原油相場は上昇した。
この会合での発表が報道されれば、週明けの相場のボラティリティは高まるかもしれない。
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WTI原油先物のテクニカル分析
WTI原油先物短期物は1日、ブレイクポイント66.82のすぐ上に位置する67.03まで下落した。これらの水準は、66.12、64.36、63.64、62,43、61,74、61.56のブレイクポイントや過去の安値と同様に、サポートとなる可能性がある。
67.03の安値を付けた後、相場は上昇に転じた。この動きにより、陽の包み足（抱き線）のローソク足が示現しており、強気の反転となる可能性を示している。
上値では、過去の高値74.73、76.92、79.18、その後は82.50－83.50エリアがレジスタンスとして控えている。
資料：TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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