※2023年6月30日14時35分更新
ハンセン指数、上海総合指数の見通し
- 6月の中国の製造業活動はやや改善
- 6月の中国の非製造業活動は鈍化
- 香港ハンセン指数と上海総合指数の見通しとは?



中国/香港の株価指数は、中国での6月の非製造業活動が軟化する一方、製造業活動が小幅ながら改善したとの経済指標を受けて、より広範な景気刺激策への期待が高まる中、底堅く推移した。
中国国家統計局が30日朝発表した6月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.0と、5月の48.8から上昇したものの、予想と一致した。非製造業PMIは5月の54.5から53.2に低下した。28日に発表された中国の1-5月期の工業利益は、2023年1-4月期が前年同期比20.6%減だったのに対し、18.8%減だった。
中国の経済指標は4月以降振るわず、パンデミック後の景気回復の動きはすでに息切れしているとの懸念が高まっている。エコノミック・サプライズ指数は、中国景気が再開された今年初頭以前の水準に戻りつつある。結果として、今年度における中国の経済成長率予測はここ数週間で下方修正された。
中国政府は、主要短期金利の引き下げや、24―27年における新エネルギー車(NEV)の取得税に対する税制優遇額を5200億元にするなど、景気テコ入れ策を発表した。李強首相は27日、中国は内需拡大に向けてより効果的な措置を講じると述べた。
ハンセン指数 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
ハンセン指数: 上昇の勢いに欠ける
日足チャートで、ハンセン指数は89日移動平均線と一目均衡表の雲上端に位置する強固なレジスタンスに上値を抑えられている。ハンセン指数が4月の高値20,865を突破できない限り、横ばいから下向きの動きにとどまるだろう。さらに、先月末に6カ月ぶりの安値を付けたことで、目先の弱気相場が再確認されている。最初のサポートは5月末の安値18,045、次いで2022年末の安値16,830と続く。
上海総合指数
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
上海総合指数: 見通しは下向き
先月、昨年12月からの水平トレンドラインという重要なサポートを割り込んだことで、7カ月続いた上昇トレンドが終わったことが確認された。今週は6カ月ぶりの安値まで下落し、弱気バイアスがさらに強まった。当面のサポートは26日の安値3,145で、その後に3,090(2022年10月から2023年5月にかけて上昇した分のリトレースメント61.8%の水準)が控えている。より強いサポートは昨年12月の安値3,030である。



--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
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