2022年第3四半期において、暗号通貨のマーケット、特にビットコインの価格はそれほど悪くはなく、過去3ヶ月間で約-4.5%下落した。2022年第2四半期に、-50%以上の大幅な下落があったため、それよりは良いといえるだろう。一部の投資家は、下落幅が鈍化していることをポジティブな要因ととらえている。だが、実際のところ2022年の暗号通貨のマーケットを押し下げた要因は、2022年第4四半期に向けても依然として存在したままだ。
ビットコインではファンダメンタルズ分析はあまり重要ではない
暗号通貨のマーケットやビットコインの価格の見通しが明るいことをファンダメンタルズ要因からみると、2022年第3四半期の間に、送信者または受信者としてのアクティブなアドレス数が増加したことや、ビットコインネットワークの総ハッシュレートが7月初めから増加したことが挙げられる。
しかし実際には、ビットコイン価格が高ベータのハイテク株のようにトレードされている限り、これらのファンダメンタルズ要因は重要ではない。ビットコインの価格と米国ナスダック100の相関関係は、9月23日時点で+0.90である。
中央銀行が利上げを実施する可能性がある限り、ビットコインの現状は厳しい
暗号通貨のマーケットとビットコインは非常に投機的なリスク資産であり、少なくともそのように扱われている。さらに、ビットコインは長期資産のように扱われていることに注目すべきである。中央銀行、特にFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを推し進めている現状では、長期資産は打撃を受ける可能性が高い。FRBが利上げを実施する可能性が上昇することで、米国債利回りを押し上げ、それが米ドルを支え、金価格、株価、暗号通貨のマーケットを圧迫しているという厳しい現状である。マクロ環境が変化しない限り、ビットコインの価格が回復する可能性は低いだろう。2022年第4四半期は、2022年第3四半期と同様に、厳しい状況が続く可能性が高い。
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