豪ドル、豪ドル/米ドル、中国経済指標、上昇ウェッジ - APAC市場寄り付き
オーストラリアドルは、きょう15日に発表された中国の主要な経済指標が期待外れだったことを受け、やや弱含みの展開となった。中国の11月鉱工業生産は前年同月比2.2%上昇と、予想(同3.5%上昇)を下回り、10月(同5.0%上昇)からも大きく減速した。
中国の11月小売売上高も前年同月比5.9%減と、コンセンサス(同4.0%減少)を大きく下回った。また10月(同0.5%減少)からの落ち込みも加速した。11月の失業率は5.7%で、これも予想(5.6%)、前月(5.5%)より悪化した。
中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国である。そのため、中国の経済活動はオーストラリアに影響を及ぼすことが多い。今回の場合、中国の景気減速はオーストラリア経済に打撃を与えることが予想されるため、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策の方向性を調整するきっかけとなる可能性がある。
さらに、中国は外向き型経済であるため、中央銀行が過去数十年で最速のペースで引き締めしたことによって引き起こされた世界経済の成長鈍化に伴い、脆弱さが残っている。このため、ここ数週間、中国のゼロコロナ政策の緩和による期待から上昇した分の一部は相殺されるかもしれない。
センチメント動向に敏感な豪ドル相場は、欧州中央銀行とイングランド銀行(中央銀行)の12月会合での金利政策発表に注目している。欧州中銀の量的引き締めへの取り組みと、英中銀の英経済情勢の見解への関心が高い。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後のボラティリティのリスクはまだくすぶっている。
豪ドル/米ドル 中国の経済指標に対する市場の反応
資料:TradingView
豪ドル テクニカル分析
日足チャートで豪ドル相場は、弱気の継続や弱気への反転を示唆すると言われる上昇ウェッジのチャートパターン内で取引されているようだ。価格がパターン内にとどまっているため、上昇トレンドは続くかもしれない。しかし、下方にブレイクすれば、今年初めからの長期の下降トレンドが再開する恐れがある。一方、RSI(相対力指数)を見ると、弱気のダイバージェンスが発生しており、上昇の勢いが弱まっていることが示されている。RSIの動きは、価格下落に先行することがある。価格が下落するのであれば、200日単純移動平均線が重要なレジスタンスとして引き続き機能しているのが一因と言える。
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豪ドル/米ドル 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。