豪ドル、豪ドル/米ドル、米ドル、豪雇用統計 - トーキングポイント
- 豪雇用統計の発表後、豪ドル相場は軟化
- 豪失業率は予想より悪化したが、豪州の労働市場は引き続きひっ迫しており、来週発表のCPIに影響を与える可能性がある
- 米ドル支配は続いている。これにより、豪ドル/米ドルは新高値更新となるか?
オーストラリアドルは、オーストラリアの昨年12月の失業率が3.5%と、ともに3.4%だった前回(昨年11月)と事前予想より悪化したことが明らかになった後、下値を模索する展開となった。その後、前回値は3.5%に改定された。
雇用者数は1万4,600人減少し、予想(2万5,000人増)、昨年11月(5万8,000人増)をともに下回った。
失業率は予想を僅かに上回ったが、数世代ぶりの低水準にとどまっている。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は政策金利であるオフィシャルキャッシュレートをパンデミック時の低水準から3.1%に引き上げたにもかかわらず、きょう19日に発表された豪雇用統計は、オーストラリアの労働市場が引き続き堅調であることを示している。
豪中銀は、大幅な利上げを実施する従来の引き締めサイクルの軌道にはないとの考えを示しており、先物市場では2月7日の金融政策決定会合での25ベーシスポイント(bp)の利上げ実施予想が50%となっている。
来月の豪中銀会合に先立ち、来週25日(水)には重要な2022年10-12月期の豪消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。豪中銀は、CPIは今年後半に8%に上昇すると予測しており、物価上昇圧力が強まれば、予想より早く8%に到達すると見ている。
昨夜見られた米ドルの動きは、豪の金利見通しを考慮すると、豪中銀にとっては頭の痛い問題となるかもしれない。
このことは、米国の昨年12月の小売売上高と生産者物価指数(PPI)が予想を下回った18日夜、明らかになった。これらの米経済指標を受け、米ドルは当初、軟化し、豪ドル/米ドルは6カ月ぶりの高値となる0.7063まで上昇した。
しかしその後、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官が従来通りのタカ派姿勢を示すと、米ドルは全面的に上昇し、それに伴い豪ドルは下落した。FRB高官らのほとんどは、大幅な利上げではなく、25bpの利上げが適切であるとの見解を示していた。FRBは引き締めの継続を明確に表明し続けている。
市場では、2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合において、FRBは25bpの利上げに動くと予想する見方が大勢を占めている。会合後の記者会見は、今後の金利動向を見極めるうえで手掛かりとなるため、注意深く検証されることになる。
今後数週間は豪ドル/米ドルにとって極めて重要だ。2023年に向けての方向性を示すヒントが得られるかもしれない。
経済指標に反応する豪ドル/米ドル
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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