天然ガス - テクニカル分析見通し
- 大型のダブルトップパターンは、価格のさらなる下降を示唆
- 北半球が暖冬の中、今のところ価格反転の兆しはない
- 天然ガス価格はどこまで下落するのか?
天然ガス価格のテクニカル分析見通し - 弱気
2月中旬まで平年より暖かい天候が予測される中、テクニカルチャートの動向は、天然ガス価格がさらに下落する可能性があることを示唆している。
気象学者の予測によると、米国下部48州の気温は2月4日まで平年より低く、約2週間後の17日までにほぼ平年より高くなるという。こうした報道を受け、今月半ばまでの暖房用ガスの需要減少が懸念されている。
天然ガス 週足チャート
資料:TradingView
欧州では、これまで予想以上の暖冬となっているため、昨年末に例年より高水準となった天然ガス貯蔵量が十分に活用されていない。1月末時点の貯蔵量は約72%で、この時期の貯蔵量の5年平均である54%を大きく上回っていると報告されている。さらに、中国の液化天然ガス(LNG)需要が昨年、大幅に減少したことも逆風となっている。
天然ガス 月足チャート
資料:TradingView
テクニカルチャートでは、昨年末に示現した大型のダブルトップパターン(2022年高値で形成)が、天然ガス価格のさらなる下降を示唆しており、2020年安値1.45付近まで下落する可能性がある(週足チャート参照)。予想されるこの下げは、2020年を始点とした重要な上昇トレンドラインを割り込んだこととも関連しており、中期の上昇トレンドは崩壊したことが確認された。
当面のサポートは、2020年末の安値2.25である。しかし、日足、週足チャートともに下降モメンタムが強まっているため、2.25を下回り、1999年から続く水平トレンドラインが位置する1.45-1.50付近に向かって下落する公算が大きい。一方、上昇局面では、昨年12月以降、12日移動平均線が大きな壁となっている。同平均線は現在、2.90前後で推移している。その上には1月24日の高値3.60がさらに強いレジスタンスとして控えている。
--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著