金、金/ドル、銀、銀/ドル - テクニカル分析見通し
- 金と銀の先物相場は、それぞれのレンジ内にとどまっている
- 今月の金/ドルと銀/ドルの上昇は、貴金属相場の見通しが強気に転換したことを示唆するには不十分
- 注目すべき重要な水準とは?
金相場の短期テクニカル分析見通し - 中立
今週の金先物相場は下げが限定的で、まだ勢いがあることから、今月これまで維持されてきた重要なレジスタンスをもう一度試す展開となる可能性がある。
金/ドルは先週、予想より少し早く、重要なレジスタンス近辺から下降に転じた。1,800-1,820に密集した天井には、200日移動平均線と、少なくとも3つのトレンドラインのレジスタンスが含まれている。後者は2021年末、7月、8月からそれぞれ続いているトレンドラインである。
金/ドル 日足チャート
資料:TradingView
下降に転じる前の今月初めには、10月高値1,729の重要な天井を上抜け、下押し圧力がひとまず弱まったことが確認されていた。金相場が重要な転換となる高値を突破したのは、4月以来となる。
最近の下落にもかかわらず、金相場は重要なクッション材としてのサポートを維持している。そのサポートとは、レジスタンスからサポートに転換した1,729で、11月3日から15日の上昇をベースとしたリトレースメント38.2%とほぼ同じ水準にある。オシレーター系テクニカル指標のMACD (通称マックディ)が楽々とプラス圏で推移している(相場の上昇を示す)ことを考えると、1,800-1,820を再び試す展開となる可能性は排除できない。
金相場の直近の動きはレンジ相場を示唆しているが、今年の急落を考えると、今月の反発が(下降トレンドからの)反転の前兆なのか、自律反発に過ぎないのかはまだはっきりしない。数週間単位で見ると、トレンドは引き続き下向きである。
銀相場の短期テクニカル分析見通し - 中立
金相場は200日移動平均線を下回る水準を維持している一方、銀相場は一時的に長期移動平均線を上回ったものの、その水準にとどまるには至らなかった。先週の記事で指摘したように、11月15日に下げに転じてから、貴金属相場は上値の重い展開が続いている。
銀/ドル 日足チャート
資料:TradingView
銀/ドルの長期移動平均線は、8月から続くわずかに右肩上がりのチャネルの上辺付近に位置しているが、6月の高値22.50はわずかに下回っている。このレジスタンスバリアは、短期見通しには重要で、これを決定的に上抜ければ、銀/ドルはさらに上昇する可能性が出てくる。
一方、下降局面では、21日の安値20.55を下回ると、短期的にレンジ相場となる見通しが再確認されることになる。
--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著