FXテクニカル分析:ポンド円(GBPJPY)
・目先は新たなレジスタンスポイントの見極めが焦点に
ポンドドル(GBPUSD)は昨日、サポートポイントの1.18を下方ブレイクする局面が見られた。
英国経済の先行きリスクも考慮するならば、ポンドドルは下落トレンドを維持する可能性が高い(こちらのレポートを参照)。
一方、ドル円(USDJPY)は、日米の金融政策スタンスの差を土台に上昇トレンドを維持している。今月13日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)でインフレの高進が確認されて以降、米2年債利回りとの連動性が高まりつつあるのは、昨日の分析記事で指摘した。
これら2つの動き(ポンドドルの下落とドル円の上昇)に影響され、今年の4月以降ポンド円(GBPJPY)は板挟みの状態に陥っている。
だが現在は、ドル円の急騰(139円台への急上昇)に影響され、13日の分析記事で取り上げた短期レジスタンスラインの突破に成功している。
連日の陽線示現による短期レジスタンスラインの突破という状況を考えるならば、今のポンド円は新たなレジスタンスポイントを探る状況にある。
各通貨ペアのパフォーマンス
TradingView 年初来のパフォーマンス(%)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 4% | -6% | -4% |
週次 | 8% | -6% | -3% |
・165.00レベルの攻防が焦点に
目先、その(新たなレジスタンスポイントの)候補として注目したいのが、165.00レベルである。この水準はフィボナッチ・プロジェクション38.2%の水準にあたり、昨日はこのテクニカルポイントで上昇が止められた。
今月5日の相場でも同じ状況(レジスタンスとして意識される状況)が確認されている。
また、6月下旬からの推移も考えるならば、165.00レベルはサポートからレジスタンスのポイントへ転換しつつある。
ポンド円が何度も165.00レベルで反落する場合は、反落リスクを警戒したい。
逆にポンド円が165.00レベルの突破に成功する場合は、もう一段の上値トライを想定したい。このケースでは、フィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準166.56レベルまでの上昇を想定しておきたい。
なお、166円ミドルの水準は、6月23日と28日に相場の戻りを止めた経緯がある。
ポンド円のチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -9% | -1% | -4% |
週次 | 11% | 4% | 6% |
・162.00レベルの再トライと下方ブレイク
今月13日の分析記事で指摘したとおり、今のポンド円はポンドドルとの相関性がより高い傾向にある。
今週13日以降のポンド円はドル円の急伸にサポートされているが、ポンドドルが重要サポートポイントの1.18を下方ブレイクしたことやトレンドの強さを示すADXが低下基調にあること、そしてDMIのかい離が縮小傾向にあることも考えるならば、今の反発が上昇トレンドへ転じる強さは確認できない。
ポンド円が再び下値トライとなる場合、注目すべきチャートポイントは162.00レベルの攻防である。
テクニカルの観点で考えるならば、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準161.88レベルの攻防ともいえる。
下の日足チャートを確認すると、ローソク足の実体ベースでは162.00(161.88)レベルを維持する状況が続いている。
レジスタンスラインからサポートラインへ変換する兆しが見られる10日線(MA / 今日現在163.43レベル)とフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準163.00レベルの下方ブレイクは、162.00(161.88)レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
ポンド円のチャート
TradingView 日足(今年5月下旬以降)
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