FXテクニカル分析:ポンド円(GBPJPY)
・ポンドドルに引きずられるポンド円
ポンド円(GBPJPY)は現在、162.00レベルでサポートされる状況が続いている。
6月9日を境にしてポンド円の上昇トレンドが止まり、円高へ振れる展開が見られる。
これ以降のドル円(USDJPY)そしてポンドドル(GBPUSD)の相関関係を確認すると、ポンドドルとの相関係数(0.57)がドル円のそれ(0.42)よりも高いことがわかる。
ドル円の上昇トレンドはポンド円のサポート要因ではある。しかし、ポンドドルが下値をトライする状況にあることを考えるならば、ポンド円も下値トライを意識すべき局面にある。
ポンド円、ドル円、ポンドドルの相関係数
基準日:2022年6月8日 / 相関係数は対数差分で計算 / データ数:24
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 0% | 4% | 3% |
週次 | -4% | -19% | -15% |
・目先の焦点は160円台の維持
ポンド円(GBPJPY)が162.00を完全に下方ブレイクする場合、テクニカルと直近の値動きから160円台の維持が重要テーマとして浮上しよう。
6月と7月に一度ずつ、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準160.80レベルをトライする局面が見られた。いずれも長い下ヒゲが示現し急反発している。節目の160.00レベルの方が強く意識されたとも言える。
だが、今年3月8日の安値150.98レベルを基点とした短期サポートラインが、これから160.00レベルとプロジェクション61.8%の間で推移することを考えるならば、160.00-160.80をサポートゾーンとして想定しておきたい。
・短期サポートラインを下方ブレイクする場合は
ポンドドルの下落幅拡大に連動してポンド円が短期サポートラインをも下方ブレイクする場合は、重要なチャートポイント(レジスタンス/サポート)として意識される局面が見られる158.00レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。
ポンド円のチャート
TradingView 日足(今年2月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 23% | -9% | 4% |
週次 | -3% | -12% | -8% |
・2つの移動平均線と短期レジスタンスラインの攻防
一方、ドル円の上値トライやポンドドルの反発局面に連動してポンド円(GBPJPY)が上値トライとなる場合は、2つの移動平均線の攻防に注目したい。
ひとつは、10日MAである。7月に入るとこの移動平均線は、レジスタンスラインとして相場の戻りを抑制している。
もうひとつは、21日EMAである。10日MAと同じく、この移動平均線も相場の戻りを何度か止めた経緯があるが、現在は短期レジスタンスライン付近で推移している。この状況を重視し、21日EMAを重要なテクニカル指標と捉えておきたい。
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・165.00のトライ
ポンド円が短期レジスタンスラインの突破に成功する場合は、フィボナッチ・プロジェクション38.2%の水準165.00レベルが次のターゲットとして浮上しよう。
6月以降、165.00前後はチャートポイント(レジスタンス / サポート)として意識される局面が見られる。現在は、レジスタンスポイントの候補として意識しておきたい。
なお、6月中旬から発生した反発相場は、プロジェクション61.8%(168.11レベル)の手前で止められた。この経緯を考えるならば、現在のポンド円のチャートポイントを予測する上で、フィボナッチ・プロジェクションは説明力の高いテクニカル指標の一つと言える。
ポンド円のチャート
TradingView 日足(今年5月以降)