FXテクニカル分析:ユーロ円(EURJPY)
・141円ブレイクを警戒
金融引き締めが世界的な潮流となっていること、そしてその影響により経済成長の減速懸念が意識されていることで、各市場ではリスク回避のムードが高まっている。
さらにこのムードが強まれば、外為市場では米ドルと日本円買いの圧力が高まることが予想される。事実、今日の東京時間は米ドルと円を買う動きが見られた。
この動きを受け144.00レベルで上昇が止められているユーロ円に下落の圧力が強まり、サポートポイントの141.50レベルだけでなく、141.00をもブレイクする局面が見られた(下の1時間足チャートを参照)。
ユーロ円のチャート
TradingView 1時間足(6月15日以降)
テクニカルの面で141.00レベルは、直近高安の半値戻し(141.06レベル)にあたる。
この分析記事を書いている時点では、このテクニカルポイント(141.00レベル)を維持している。しかし、ユーロドルが未だ下落トレンドにある(こちらの分析記事を参照)。
ドル円でも再び調整ムードが出始めている。
また、MACDでデッドクロスが示現したことも考えるならば(一番下の日足チャートを参照)、ユーロ円は141円ブレイクを警戒すべき局面にある。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -2% | -4% | -3% |
週次 | -47% | 109% | 37% |
・141.00ブレイクなら61.8%と76.4%の攻防が焦点に
ユーロ円が141円台を完全に下方ブレイクする場合、サポートポイントの候補をフィボナッチ・リトレースメントで探ると、61.8%の水準140.30レベル、および76.4%の水準139.36レベルが浮上する(上の1時間足チャートを参照)。
一方、フィボナッチ・プロジェクションの水準を確認すると61.8%が140.31レベル、76.4%が139.38レベルとなっている。
偶然にも2つのサポートポイントの候補(61.8%と76.4%)がほぼ同じ水準にあることを考えるならば、ユーロ円が141円を完全に下抜ける場合は、これらテクニカルのポイントで反転するかどうか?をまずは確認したい。
なお、50日移動平均線(EMA)は今日現在、76.4%のすぐ下の水準139.34前後で推移している。今日以降、節目の140.00をも一気に下方ブレイクする展開となれば、139.30レベルが強固なサポートポイントとなるかどうか?この点を確認したい。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
テクニカル分析入門
フィボナッチ
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・上値の焦点は144.00と144.25のトライ&ブレイク
一方、ユーロ円が反発する場合、注目すべきチャートポイントは2つー144.00と144.25レベルである。
特に後者のポイント(144.25レベル)では、2度上昇を止められている。上で述べた76.4%の水準をネックラインと仮定するならば、この水準の下方ブレイクはダブルトップ形成のシグナルとなる。
逆にユーロ円の下落幅が拡大しても76.4%レベルでユーロ円が反発する場合は、139.40-144.25を中心としたレンジ相場へシフトする可能性が浮上する。
ダブルトップ形成か?それともレンジ相場へシフトするのか?
これらの点を見極めるという観点からも、目先のユーロ円は、今回の記事で指摘した上下のチャートポイントでの攻防に注目したい。