FXテクニカル分析:ユーロドル(EURUSD)
・戻り売りを警戒する状況が続く
1.06レベルが強烈なレジスタンスポイントとして意識されているユーロドル(EURUSD)だが、6月28日と29日の日足ローソク足は大陰線となった。
そして昨日(6月30日)は、1.04を一時下方ブレイクする局面が見られた(安値1.0382レベル)。
欧べ時間の米ドル安にサポートされ、昨日の日足ローソク足は長い下ヒゲ付きの陽線引けとなった。このローソク足の形状は、ユーロドルの短期的な反発シグナルとなり得る。しかし、実際にユーロドルが反発しても戻り売りを警戒する状況が続くと予想する。
そう考える理由は、今のユーロドルの地合いの弱さとなっている2つの土台にある。
ひとつめの土台は、ロシアーウクライナ紛争の長期化によるインフレの進行とそれらがユーロ圏経済へ及ぼす悪影響である。
もうひとつの土台は、米欧の金融引き締めペースの差である。
これらは短期間で一気に解消される要因ではない。よって、ユーロドルは調整の反発を繰り返しながらも、サポートポイントを探る状況が続くと予想する。
ユーロドルのチャート
TradingView 1時間足(6月16日以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 11% | -21% | -3% |
週次 | 5% | -2% | 3% |
・1.0485、21日線そして短期レジスタンスライン
ユーロドルが反発基調を維持する場合、目先の焦点は1.0485レベルの突破となろう(上の1時間足チャートを参照)。昨日はこの水準付近で戻りが止められた。
6月22日以降、1.0485レベルはサポートポイントとして意識されてきた経緯がある。昨日の動向が「サポート→レジスタンス」の転換だとするならば、今日は反落を警戒したい。
一方、ユーロドルが1.0485レベルを完全に上方ブレイクする場合は、1.05台への攻防シフトを想定しておきたい。
1.05台の攻防でまず注目したいのが、21日移動平均線(SMA / EMA)のトライ&ブレイクである(下の日足チャートを参照)。これら移動平均線は今日現在、1.0540を挟んで推移している。
ユーロドルが21日線をもブレイクする場合は、短期レジスタンスラインのトライが焦点として浮上しよう。今日現在このラインは、1.0580レベルで推移している。
ユーロドルのチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
テクニカル分析入門
サポートとレジスタンス
サポートとレジスタンスについて学ぼう
・1.04ブレイク後の注目ポイントは?
一方、ユーロドルが反落する場合は、1.04の攻防が焦点となろう。この水準は、フィボナッチ・プロジェクション50.0%のレベルにあたり、昨日は一時的にせよ下方ブレイクする局面が見られた。
ユーロドルが完全に1.04台を下抜け1.03台の攻防へシフトする場合、最も注目すべきポイントは1.0350レベルの維持である。上の日足チャートを見ると、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準が、ちょうど1.0350レベルにあたる。
また、この水準は5月13日と6月15日にサポートポイントとして意識された経緯がある(上の日足チャートを参照)。3度同じ状況(ユーロドルをサポートする状況)が確認される場合は、1.03ミドルが今後も重要なサポートポイントとして意識されるだろう。