※2023年2月20日17時37分更新
ドル、ユーロ、ユーロ/ドル - 見通し



ユーロ/ドルの短期テクニカル分析見通し - 中立
ユーロが対ドルで主要なサポート水準を下回ったことは、重要な米経済指標を今週に控える中、ユーロがさらに下落する可能性を示唆している。
過去数週間のユーロ安ドル高の動きは、ユーロ圏経済の弱さというより、ほぼ完全に米国経済の強さに起因している。各種経済指標の発表値と事前の市場予想との乖離度合いを指数化した「びっくり指数」(ESI)でこの期間を比較してみると、ユーロ圏ESIは引き続き20カ月ぶりの高水準にあるとはいえ、横ばいだったのに対し、米国ESIは急上昇した。
ユーロ/ドル 日足チャート
資料:TradingView
月初めに発表されたISM(供給管理協会)のサービス業景況指数や雇用統計、先週木曜発表の生産者物価指数(PPI)など、今月初めから米国の経済指標は驚くほど好調で、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ終了観測の後退につながった。市場はフェデラルファンド(FF)金利のピークを、2月初めには4.90%と予想していたが、現在は5.30%程度と織り込んでおり、年内利下げ期待も低下している。現在、市場の関心は、23日に発表される米個人消費支出(PCE)コア指数に向いている。1月のPCEコア指数は前年同月比4.3%上昇と、上昇率は前月(同4.4%上昇)よりわずかに鈍化すると見られている。
ユーロ/ドル 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:Metastock
日足チャートでは、トレンド/モメンタム指標に基づく色分けされたローソク足が、長期上昇トレンドの中、もみ合いが続いていることを示唆している。
ユーロ/ドル 4時間足チャート
資料:TradingView
日足チャートでは、ユーロ/ドルには約5カ月におよぶ上昇トレンドの転換に至るような重要な値動きは起きていない。この点に関し、1月の安値1.0480が当面のサポートとなっている。より力強いサポートは200日移動平均線(現在1.0330付近)である。2月13日の安値1.0650を下回ると、小型のダブルトップ(2月9日と2月14日の高値)が発生し、1.0480に向かって下降する可能性がある。
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--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著