※2023年4月19日13時02分更新。
ビットコイン、Bitcoin、BTC/USD、BTC/JPY、米国金利、パーフェクトオーダー―トーキングポイント



中長期に更なる上昇も短期的には弱気シグナルが点灯
ビットコイン価格は30,000ドル(400万円)、更に31,000ドルを一時突破したものの、現在は30,000ドルを挟んで推移している。ビットコイン価格は米国金利の影響を受ける傾向がある。金(ゴールド)同様、金利の付かないビットコインは、米国金利が上昇すると相対的魅力度が下がり価格が下落、逆に米国金利が低下すると相対的魅力度が上昇し価格が上昇する傾向がある。
ビットコイン価格(BTC/USD & BTC/JPY)と米国10年債利回り(%、軸反転)

資料:Trading View
金融市場は米FRBが次回5月FOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げを実施後、年末にかけて利下げの実施を織り込んでいる。米国雇用市場は底堅く推移しており、最近の指標はインフレが高止まりする可能性を示唆している。今後一段の利下げ織り込みは見込めず、5月FOMCに向けて更なる利下げ織り込みの剥落、米国金利が上昇する可能性があろう。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成
ビットコイン価格:短期的に中立も上昇に向けた準備が進行
ビットコイン先物の投機筋が極端なショートポジションとなっている場合、ポジションの解消に伴い、ビットコイン価格の上昇圧力となる。逆に、ロングポジションが蓄積している場合、ポジションの解消に伴い、ビットコイン価格の下落圧力となる。現在はショート(売り)ポジションとなっていて、水準は過去平均と同水準である。また、ビットコイン価格は以前の高値と比べると約50%低い水準であり、ショートポジションが今の価格水準で極端に蓄積していき、ビットコイン価格の下落圧力になる可能性は低いと思われる。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
ビットコイン価格の日足チャートを確認すると、上昇パターンの継続を示唆する上昇レクタングルパターンのレジスタンス近辺で推移している。上昇レクタングルパターンのレンジ幅からは32,500ドルへの上昇が見込まれる。一方、RSIやMACD(移動平均収束拡散手法)は弱気のダイバージェンスが示現しており、ビットコイン価格の上昇の勢いが衰えていることを示唆している。また、5月FOMCに向けて米国金利が上昇し、ビットコイン価格の逆風となる可能性があり、中長期的には上昇を見込んでいるものの、短期的に中立とする。
ビットコイン(BTC/USD)日足チャート

資料:Trading View
ただし、1時間足チャートを確認すると、20、50、200期間指数移動平均線が上向きかつ、上から順の強気の「パーフェクトオーダー」が成立しており、更なる上昇に向けた環境が整いつつあることを示唆している。日足チャートの上昇レクタングルパターンのレジスタンスを明確に上抜け、米国の利下げ織り込みが一定程度剥落した場合、強気に見通しを転換する可能性が高まる。
ビットコイン価格(BTC/USD)1時間足チャート

資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著