ビットコインの価格推移:第2四半期BTC/USDの見通し
ビットコインの価格は第1四半期に60%の反騰を見せ、最大の仮想通貨(暗号資産)は昨年の損失のかなりの部分を回復させた。金融不安の懸念がリスクセンチメントを牽引し、ビットコインの価格は急上昇しており、第2四半期も同じシステミックリスクに牽引され続ける可能性がある。
2023年第2四半期に注目すべき主な要因:
- 景気後退懸念(銀行セクターが信頼を取り戻せば、景気後退リスクの高まりが投機的な資産にとって大きな逆風となり得る。)
- インフレと金融政策(ECBとFRBは、インフレの高止まりが続けば利上げをおこなう意向を改めて表明している。)
- デジタル通貨に課される金融規制と、SEC(証券取引委員会)とコインベース社(最も大きな仮想通貨取引所の1つ)間で起こるとみられている訴訟。今後の展開と結果次第では、これも注意深く観察すべきリスク要因となり得る。
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システミックリスクはBTC/USDの行く末を決めるか?
2023年に力強いスタートを切った後、ビットコインの価格は40%近く上昇し、2022年9月の高値である22,781ドル付近の重要なレジスタンスラインの水準に落ち着いた。FRBへの期待が引き続きセンチメントを牽引する中、堅調な労働市場と持続的で高水準のインフレは、FRBにさらに積極的な利上げを検討する機会を与えた。
株式、コモディティ、仮想通貨は利子が付かないため、こうした利回りのない資産にとって高金利の環境は幾分先行きが危ぶまれる。2022年を通じて積極的な利上げが続いた後、マーケットは金融引き締めのペースが緩和されると予想していた。しかしFRBとECBは完全雇用と物価安定という両方の目的達成に固執し続けたため、インフレは目標の2%を大きく上回ったままであった。このことは両主要中央銀行が物価上昇圧力の抑制を目的として、さらに積極的な利上げを検討する原因となった。

出所:Refinitiv
銀行危機の影響はデジタル資産を支え続けると予測される
しかしながらSVB(シリコンバレー銀行)、シグネチャー銀行の破綻とファースト・リパブリック銀行が抱える進行中の問題を受け、FRBに対し利上げサイクルの一時停止を検討させる圧力がのしかかった。
金融セクターは銀行破綻件数の増加をもたらし得る悪影響に対し依然として脆弱だが、追加利上げをおこなう可能性は低くなっている。それどころか、多くの人がFRBは年内に利下げを発表すると予想している。

出所:Refinitiv
その結果、銀行セクターの信頼性の低下、米ドル安、起こり得るFRBのピボット(政策転換)が重なることでデジタル資産の魅力が増している。ビットコインとその関連の主要銘柄は地政学的背景に影響を受け続けているが、ファンダメンタルズが価格変動の主な触媒となるのは変わりないであろう。現在、価格は昨年6月以来の高水準であり、テクニカルとファンダメンタルズの両方が、顕著なトレンド形成を後押しする可能性がある。