※2023年2月17日15時39分更新
ドル、FRB、米PPI、ドル指数、米国債利回り - トーキングポイント
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16日のニューヨーク外国為替市場でドルは主要通貨に対して上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)の2人の当局者が、インフレ再加速の恐れや、経済の強さを踏まえれば50ベーシスポイント(bp)の利上げ実施の可能性もあると述べたことを受け、ドルを買う動きが強まった。
クリーブランド地区連銀のロレッタ・メスター総裁とセントルイス地区連銀のジェームズ・ブラード総裁はともに、3月下旬に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を50bp引き上げることを検討するとの考えを示した。
両総裁とも以前からタカ派としてよく知られている。金利スワップ・先物市場では、次の2回の会合での利上げ幅は今のところ、25bpしか織り込まれていない。
1月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.7%上昇と、予想(同0.4%上昇)、前月(同0.5%低下)をともに上回り、前年同月比でも6.0%上昇と、予想(同5.4%上昇)を上回った。
同様に、食品・エネルギーを除くコア指標も前月比0.5%上昇と、予想(同0.3%上昇)、前月(同0.1%上昇)をともに上回った。今回のPPI数値の上昇は、週明けに発表された1月のCPIが再加速した流れに続くものだ。
1月の米住宅着工件数および建設許可件数はそれぞれ130万9,000件、133万9,000件と、わずかに予想を下回った。先週の米新規失業保険申請件数は19万4,000件と市場予想(20万件)よりやや少なく、失業保険の継続受給者数は169万6,000件と予想通りだった。
この堅調な経済指標を受け、米国債利回りはイールドカーブ全体で再び上昇し、特に長期債利回りの上昇が顕著だった。このため、注目されていた2年米国債と10年米国債の利回り格差は今のところ、マイナス0.88%で取引された後、マイナス0.78%に縮小したが、引き続き、景気後退のサインとされる長短金利の逆転(逆イールド)は解消していない。
利回りの上昇はドルを下支えたように見えた。ドルは対ユーロ、円、英ポンド、豪ドル、ニュージーランドドルで6週間ぶりの高値となり、またドル指数も6週間ぶりの高水準を付けた。
きょう17日は、リッチモンド地区連銀のトーマス・バーキン総裁とFRBのミシェル・ボウマン理事の講演が予定されている。ドルを動かす要因となり得るため、両氏のタカ派度合いが市場で注目されている。



ドル指数、2年および10年物米国債、米2年債と10年債の利回り格差
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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