※2023年3月3日15時13分更新
ドル、ドル指数、FRB、欧州中銀、ユーロ、ユーロ/ドル - トーキングポイント
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ボストン地区連銀のスーザン・コリンズ総裁が2日、利上げの必要性を強調し、利上げの程度は今後の経済指標次第であるとの見解を示した後、ドルは上昇した。
また、米新規失業保険申請件数が予想を下回り、米雇用情勢は引き続き堅調だとの見方が広がったことも楽観的なムードを助長した。ただ、その後、アトランタ地区連銀のラファエル・ボスティック総裁による「今夏に利上げを停止する可能性がある」との発言が、明るいムードに水を差した。ボスティック総裁は、ゆっくりと着実に金利を引き上げることが正しい行動であるとも述べた。
米連邦準備制度理事会（FRB）のクリストファー・ウォラー理事も2日、米経済指標が引き続き、予想以上に景気過熱を示すなら、政策金利を現在の見通しよりも引き上げる可能性があると述べた。
オーバーナイト・インデックス・スワップ（OIS）と先物市場では、今後3回の米連邦公開市場委員会（FOMC）会合で各25ベーシスポイント（bp）、計75bpの利上げ実施が織り込まれている。昨日2日の先物市場で、ターミナルレート（利上げの最終到達点）予想は5.5%近くまで上昇する場面があった。1月時点での予想（4.90%）からは大きく上昇した水準である。
米国債利回りは上昇し続けている。2年物国債利回りは2007年7月以来の高水準となる4.94%、10年物国債利回りは4.09%と、4%を超える水準で推移している。
2日のドル指数は、前日の低下分を取り戻して取引を終えたが、きょうのアジア市場ではやや上値の重い展開となっている。
ドル指数は、ユーロ（57.6％）、円（13.6％）、英ポンド（11.9％）、カナダドル（9.1％）、スウェーデン・クローナ（4.2％）、スイスフラン（3.6％）に対するドルの強さを示した指数である。
FRBが引き締めに向け、（市場予想に）先手を打つことを気にかけている一方、欧州中央銀行（ECB）は欧州のインフレ指標が再加速する中、利上げペースの遅れを取り戻そうと躍起になっているように見える。
昨日発表されたユーロ圏の2月消費者物価指数（CPI）は前月比0.8％上昇と、予想（同0.5％上昇）、前月（同0.2％低下）をともに大きく上回った。前年同月比での伸び率は8.5％と、予想（8.3％）は上回ったものの、前月（8.6％）は下回った。
OIS市場では、2週間後に開催されるECBの金融政策決定会合で50bpの引き上げ実施が織り込まれており、この先、50bpを超える引き上げが予想される可能性もある。ユーロ/ドルは2日、1.0600を割り込んだが、その後はやや回復している。
きょう３日は、サンフランシスコ地区連銀のメアリー・デイリー総裁が講演するが、市場の関心は、来週予定されているジェローム・パウエルFRB議長の証言に向けられている。パウエル議長は7日、上院銀行委員会で金融政策について半期に一度の証言をする予定だ。
ドル指数と米2年債・10年債の利回り
資料：TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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