株式ニュース：米国株は大幅安、アップル急落、FRB高官のタカ派発言を嫌気

2022-09-29 20:25:00

ディエゴ・コルマン, ストラテジスト

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米株式市場の見通し

29日の米国株はリスクオフムードが広がり大幅安、アップル株は5％近く下落
S&P 500は2.11%、ナスダック100は2.86%それぞれ下落
FRB高官のタカ派発言が市場心理の重しに

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29日の米国株はリスクオフムードが広がり、大幅下落した。前日に見られた反発の動きが足止めされた格好だ。この動きは、反発トレンドを維持できるかを不安視する見方が多い中、トレーダーやその他の投機筋が機会あるごとに売りを仕掛けていることが背景にあると見られる。

結局、S&P 500種株価指数は前日比2.11％安の3,640と、2020年11月以来の安値まで下落した。公益事業と一般消費財が売りを主導し、すべてのセクターがマイナス圏で取引を終えた。

一方、ナスダック100指数は前日比2.86％安の11,165で取引を終了した。アップルの急落に引きずられる形で売りが広がり、6月の安値を再び試すエリアに接近した。iPhoneメーカー、アップルの株価は5％近く下落した。複数のセルサイドアナリストが、「期待したほど需要が伸びないためアップルはiPhone14の増産計画を断念する」という報道を受け、アップルの目標株価を引き下げたことも売りを誘った。

米国の経済指標を見ると、9月24日までの週の新規失業保険申請件数は前週比1万6,000件減の19万3,000件と、4月以来の低水準となった。労働需要が極めて堅調に推移していることが示唆され、米国株は値を下げて始まった。

推薦者：ディエゴ・コルマン

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米国企業がより迅速に人員削減を始めなければ、個人消費は持ちこたえ、賃金上昇圧力は高止まりする可能性が高い。需要の減退によりインフレを抑制したい米連邦準備制度理事会（FRB）にとっては、やりにくい状況となりそうだ。そうなれば、FRBは景気をもっと減速させるために、急ブレーキをかけざるを得ないかもしれず、リスク資産にとってはより厳しい環境を作り出すことになる。

セントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁やクリーブランド連銀のロレッタ・メスター総裁など、様々なFRB高官の発言は、弱気な心理を後押しし、米国株売りを加速させた。両氏は、FRBは痛みを伴う景気後退を犠牲にしてでも物価の安定を回復させる決意があると述べ、両氏の非常にタカ派的な姿勢が確認された。

米連邦公開市場委員会（FOMC）は、政策金利を十分な引き締めとなる水準に持っていくことに固執しており、早急に積極利上げ方針を緩和または転換しないと表明しているため、米国株は当面、苦戦が続くだろう。10月初旬から始まる米国企業の第3四半期決算シーズンを控え、数週間前の米物流大手フェデックスのように、米企業が業績見通しを下方修正し始めれば、米国株売りはさらに加速する可能性がある。つまり、S&P500種指数とナスダック100指数の次の重要な下げ局面は、すぐそこまで来ているかもしれない。