米国株 - キーポイント
- S&P 500、NYダウ、ナスダック100は、取引高が少ない中、上昇して引けた
- 予想より好調な内容だった経済指標と企業業績がリスク選好の動きを促した
- 26日発表のPCE物価指数と米国時間(EST)午前10時に予定されているジャクソンホール経済シンポジウムでのパウエル議長の講演が注目される
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25日の米国株式市場で主要株価指数は、ほぼ終日狭いレンジでの取引にとどまっていたが、引けにかけて値を上げ、3日続落を止めた昨日の反発の流れを維持した。株式市場の取引高は25日も引き続き少なく、市場では、26日の米国東部標準時10時(グリニッジ標準時14時)にジャクソンホール経済シンポジウムの一部として予定されているジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を見極めたいとする様子見ムードが広がった。シンポジウムを主催する米カンザスシティ連銀は25日夜(米東部標準時20時/グリニッジ標準時0時)にプログラムを公表する。
予想を上回る一連の米国経済指標がリスク資産である米国株を下支えし、ダウ工業株30種平均は前日比0.85%高、S&P 500種株価指数は同1.33%高となり、指数の全セクターが上昇して取引を終了した。米経済指標としては25日に2022年第2四半期における国内総生産(GDP)成長率の第二次推計値が発表され、当初予想よりも緩やかなペースでの縮小だったことが明らかになった。
米インフレ圧力の高進は続いているものの、個人消費は引き続き堅調で、経済指標からは広範にわたる景気後退の明確な兆しは確認できていない。8月20日までの1週間の新規失業保険申請件数も予想を下回る結果となり、労働市場の力強さが続いていることが強調された。
EミニS&P 500先物(ES) 日足チャート

資料:TradingView
最近、住宅や製造業などの経済セクターに不安要素は見られるものの、相場は依然として経済指標主導で日々、動いており、25日発表の経済指標の内容が好調だったことから米国債利回りは一服し、米ドルは軟化、ナスダック100指数は上昇した。
米国企業の決算が好調だったことも、ハイテク指数の押し上げに貢献した。スノーフレーク、ネットアップ、オートデスクなどの成長銘柄企業の決算は、いずれもアナリストの予想を上回った。
今後の予定としては、明日26日に7月PCE(個人消費支出)物価指数の発表、続いてジャクソンホールでのパウエル議長の講演がある。これまでのところ、市場の動きとFRB高官の発言にはズレがある。投資家は、(ガソリン価格が下落する中で)インフレ率を示す経済指標の一つが予想を下回り、一部の経済セクターが冷え込んだことを理由に、まるで米連邦公開市場委員会(FOMC)がタカ派的な金融政策を転換したかのように振舞っている。
インフレが低下傾向にあるかどうかを予測するには時期尚早と思われるため、パウエル議長がその早まった市場の解釈を一蹴する可能性はある。しかし、注目すべきは、労働市場がひっ迫する中で、FRB高官らがタカ派的な発言を続けるかどうかである。カンザスシティ連銀のエスター・ジョージ総裁は25日、失業率は上昇しなければならず、FRBの重要な任務はインフレ率を目標水準に戻すことだと述べた。
現在のところ、市場予想では、9月に75ベーシスポイントの利上げを実施する確率は60.5%となっている。明日26日に、これらがどのように変化するかに注目したい。



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--- DailyFX.com セシリア・サンチェス-コロナ著