米国株の見通し:
- FRBの積極的な0.75%の利上げにもかかわらず、米国株は上昇
- 米国債利回りが低下する中で、S&P 500は1.46%上昇、NASDAQ 100は2.4%超の上昇
- 経済成長の鈍化と金融引き締めは、下半期に向けてリスク資産への逆風となる可能性がある
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火曜日に低調なパフォーマンスであった米国株は、6月の会合でFRBがタカ派的な姿勢を見せたにもかかわらず、水曜日にハイテクセクターを中心に上昇に転じました。S&P 500は1.46%高の3,789となりましたが、弱気相場からは抜け出せずにセンチメントを脆弱にし続けている可能性があります。NASDAQ 100は2.49%高の11,593となりましたが、この日の高値を大きく下回ったまま取引を終えています。
FRBは本日、1994年以来最大となる0.75%の利上げを実施することを発表しました。政策担当者が経済の急激な物価上昇圧力に注意深くなっており、金融が正常化するシナリオを取り戻そうとしている姿勢を示唆しています。
株価は通常、中央銀行の積極的な金融措置にネガティブに反応しますが、今回は堅調な上昇を記録しています。ただしマーケットの強気な反応は、パウエルFRB議長の記者会見での発言と慎重な姿勢に起因するものでしょう。
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推薦者: Diego Colman
金融正常化へのロードマップについて記者から質問を受けたパウエルFRB議長は、次回会合で再び0.75%の大幅な利上げを実施する可能性を否定しませんでしたが、この規模の利上げは一般的ではないと述べたことで、米国債利回りは低下しました。投資家は、この発言を受けて進行中のインフレ抑制策は当初の予測よりも強引ではないとの見方を示し、金融マーケットでは急反発が始まりました。
次の動向を考慮すると、水曜日の値動きは必ずしも最悪の状況が収束したことを示しているわけではないでしょう。FRBは借入コストを継続的に0.75%引き上げることには消極的ですが、過去3回の決定を経ても2022年には1.5%の金融引き締めを追加すると予測されており、FRBの利上げサイクルは重要であると捉えられます。
この展開をそのまま考慮すると、FOMCのロードマップは金利が中立金利を超えて上昇し、今年後半のいずれかの時点で制限的になることを示唆しています。経済活動が急激に減速する状況で金融引き締めを実施することは、経済成長のさらなる足かせとなり、中期的に景気後退への可能性が高まります。企業収益や株価に対しては、良い前兆でないと言えます。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 1% | 2% | 1% |
週次 | -12% | 21% | 2% |
S&P 500 テクニカル分析
S&P 500は6月初めに大きく売られた後、3,700 〜3,735に伸びるチャネルラインで緩やかに反発しましたが、完全に反転したとは言えないでしょう。最悪な状況を抜けて、デッド・キャット・バウンス(大きく下げた後、一時的に起きる反発)でないと安心するためには、3,810のレジスタンスラインを上回り、心理的な水準である4,000の水準まで回復する必要があります。反対に売り手主導となり、価格を3,735〜3,700以下に押し下げた場合は下振れ圧力が加速し、2020〜2022年からの上昇トレンドのフィボナッチ・リトレースメント50%水準である重要なサポートラインの3,500付近が見えてくる可能性があります。
S&P 500 テクニカル分析

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---DailyFX マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著