S&P 500、ナスダック100、ラッセル2000、NYダウ平均、FRB- トーキングポイント
- 市場はタカ派的なFRBの考えを汲もうとしているように見え、S&P 500は大幅反落となった
- FRB当局者らは8日、一様にタカ派な発言をした
- 引き締めサイクルは長期化するように見受けられる。S&P 500はさらに下押されるか?



米連邦準備制度理事会(FRB)の当局者らがタカ派的な発言を続けたため、8日の米国株式市場でS&P 500種株価指数は大幅反落した。ダウ工業株30種平均は前日比0.61%、ナスダック指数は同1.11%、中小型株で構成されるラッセル2000株価指数は同1.52%、S&P 500種指数は同1.68%それぞれ現物市場で下落した。
各指数の下落幅は、金融引き締めがもたらすリスクを反映しているように見える。資本コストが上昇する環境では、株式や債券の発行に依存している企業は今後、資金調達が難しくなる恐れがある。
FRBは、インフレを低下させるためには一段の利上げが必要になると明言している。8日は4人のFRB当局者が演壇に立ち、一様に利上げの必要性を指摘した。
FRBが継続している基本的な方針は、40年来の高インフレを抑え込むために金利は今後も引き上げられ、しばらくの間、引き締めスタンスを維持する必要があるというものである。
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インフレへの対応に関連して、FRBのクリストファー・ウォラー理事は、「米経済指標の数値がすぐに低下する兆候は見られず、長期戦を覚悟している」と述べた。
ウォラー理事に加え、ニューヨーク地区連銀のジョン・ウィリアムズ総裁、リサ・クック理事、ミネアポリス地区連銀のニール・カシュカリ総裁もタカ派的な姿勢を示す発言を続けた。
この4人のFRB当局者が発言したのは、前日7日のパウエルFRB議長の発言が警戒されたほどタカ派的ではないと市場が解釈した翌日である。複数の当局者らの発言の後、市場の見方は変わったようだ。
現在、市場は、25ベーシスポイントごとの利上げは適切であり、引き締めサイクルにおける利上げの最終着地点は5%を上回る水準のどこかだろうと見ているようだ。金利先物・スワップ市場では、今年のフェデラルファンド(FF)金利のピークが5.10%を上回ると予想されている。1週間前は4.90%を下回る水準が織り込まれていた。
オプション市場では、権利行使価格を6%に設定した取引がいくつか成立している。今週初め、シティバンクのストラテジストは、FF金利はこの引き締めサイクルで6%まで上昇すると見ていると述べていた。
8日の米国株式市場では、米検索大手グーグルの親会社アルファベットの業績不振がナスダックや市場全体の足を引っ張った一方、米ウォルト・ディズニーが取引終了後に予想を上回る決算とコスト節減計画を発表し、引け後の米国株先物をわずかに押し上げた。
S&P 500、NYダウ、ラッセル 2000、ナスダック
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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