※2023年3月16日08時45 分更新
ニュージーランドドル見通し：第4四半期GDP、中国景気、金融システム不安
- スイス金融大手の経営不安が新たに発生し、金融システム不安が継続
- ニュージーランドのGDPが発表、前期比-0.6％とマイナス成長
- 今後のニュージーランドドル(NZD)の対豪ドル(AUD)、対米ドル(USD)、対円(JPY)の見通しは？
第4四半期のNZ経済はマイナス成長
先週の米シリコンバレー銀行（ＳＶＢ）破綻による金融システム不安が続いており、昨日はスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの経営不安から海外株式市場は大場安となり、安全資産である円が上昇、ユーロが下落、米国債利回りは大幅低下となった。昨日の欧州時間には、本日の欧州中央銀行（ECB）理事会にて、50ｂｐ利上げに傾いているとのニュースがあったものの、世界的な金融システム不安を受け、主要先進国の利上げ観測は大きく後退している。
昨日中国の重要経済指標が発表され、強弱入り混じる内容であったが、小売売上高は、22年9月以来の増加となった。ニュージーランドは、中国と地理的・経済的に結びつきの強い国であり、中国の景気回復は同国の景気にとってもプラスに働くであろう。一方、本日ニュージーランドで22年第4四半期GDPが発表され、市場予想を下回る前期比-0.6％とマイナス成長となった。先日公表されたPMIは強い結果であったものの、23年第1四半期は、大型サイクロンの被害もあり、マイナス成長が継続する可能性は高い。米国発の金融システム不安に加え、本日発表された第4四半期の結果、今後のニュージーランド（NZ）準備銀行（中央銀行）の利上げ継続スタンスに暗雲が立ち込める内容となった。同GDPの内容を嫌気し、NZドルは主要通貨に対して下落して反応。今後のNZDの見通しは？
NZD（対AUD（上）、USD（中）、JPY（下））発表直後の動き
資料：Trading ViewよりDailyFX Japanが作成
ニュージーランドドル/豪ドル
過去５年以上続いてきたレンジの概ね中心の水準にある。RSI（相対力指数）は50超えていて、NZD高のモメンタム続いていることを示している。本日公表のGDPはNZにとってネガティブな結果となったものの、22年12月から23年２月までのニュージーランドドル安豪ドル高の61.8％戻し（0.93489）の水準となっており、この水準を突破した場合はNZドル高トレンドの継続が視野に入る。
ニュージーランドドル/豪ドル日足チャート
資料：Trading ViewよりDailyFX Japanが作成
ニュージーランドドル/米ドル
米シリコンバレー銀行（SVB）の破綻を受けた金融システム不安は、引き続きリスクオン通貨であるニュージーランドドルにとって重石になろう。RSI（相対力指数）は50を下回っており、ニュージーランドドル安米ドル高圧力が強いことを示している。また、20、50、200日移動平均線は全て下向きとなっており、RSI同様NZドル安を示唆しており、水平サポートラインとなっている0.6159がブレイクされるか注目したい。
ニュージーランドドル/米ドル日足チャート
資料：Trading ViewよりDailyFX Japanが作成
ニュージーランドドル/日本円
RSI（相対力指数）は50を下回っており、ニュージーランドドル安円高トレンドであることを示している。また、20日、50日、200日移動平均線は全て下向きとなっており、テクニカルにはニュージーランドドル安トレンドを示唆していよう。
ニュージーランドドル/日本円日足チャート
資料：Trading ViewよりDailyFX Japanが作成
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--- DailyFX Japan著
