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日銀次期総裁は、黒田路線を踏襲か

日銀次期総裁は、黒田路線を踏襲か

DailyFX, Research

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このページの内容

※2023年3月23日17時07分更新

インフレが上昇している中、日銀は主要な中央銀行の中で唯一、大規模緩和政策を固持している。新総裁の誕生はこの状況に一石を投じるのか?

  • 日銀はまもなく新総裁を迎える
  • インフレ率が上昇する中、他の中央銀行は金利を大幅に引き上げている
  • しかし、日銀は利上げを実施しておらず、新総裁は従来の方針を転換しそうにない
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主要な中央銀行で総裁が交代する際、メディアは新総裁候補者の言動やこれまでの執筆物に注目し、総裁になった後にどのような政策を打つのかをいち早く捉えようと躍起になる。

それはある意味、理解できる。中央銀行の一握りの政策立案者によって決められる政策金利は、市場の動きに反映され、通貨からコモディティ、複雑なデリバティブ商品に至るまで、何兆ドルもの様々な金融資産の価格を決定する。さらに基本的なこととして、通常、金利が高いほど、その国の通貨に対する需要が高まり、金利が低ければ通貨は売られる。よって、新総裁が長年の金融政策を変更する可能性がある場合、市場ができるだけ多くの情報を求めるのは当然のことである。

言ってしまえば、中央銀行総裁の考え方は、選挙で選ばれた多くの政治家の見解以上に重要なのである。

タカ派かハト派か?

しかし、次期総裁が金融引き締めに傾倒する「タカ派」なのか、あるいは金融緩和を支持する「ハト派」なのか、単純に判断するには実のところ、議論の余地がある。市場は単純なことを好むかもしれないが、ここには多くのニュアンスが含まれているからだ。

一つは、中央銀行の総裁がその権限の範囲内で何をするかは、経済状況によって左右されるということである。もう一つは、金融政策は政策委員会によって決定されるということだ。良い総裁になるには、独断でタカ派やハト派になるのではなく、すべての政策会合で勝ち組になれるよう政策を決定することである。これは非常に難しいことだ。

日銀の歴史上、黒田東彦総裁の在任期間は歴代最長となる見通しである。2013年3月に着任した黒田総裁は、今年4月8日に任期満了を迎える。

後任はほぼ間違いなく、71歳の経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏となるだろう。植田氏が新総裁に就任するにはまだ国会での承認が必要だが、承認される可能性が圧倒的に高く、黒田氏の退任時に日銀の指揮を執ることになりそうだ。

植田氏の出世に驚く人もいる。階級が意識される日本の金融業界において、黒田総裁の後任には従来路線通り、日銀幹部の名前が挙がっていた。比較的、外部と思われる人物が登場したのは、政策に革命が起こりそうな兆候なのだろうか。黒田時代の大規模な景気刺激策、超低金利政策、イールドカーブ・コントロール(YCC)政策は一掃されようとしているのだろうか?

まあ、恐らく、そんなことはないだろう。

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日銀が直面するユニークな課題

日銀は、他の中央銀行にはない難題に直面している。日銀はここ数十年来、自国の需要低迷が続いているため、金融政策によって需要の回復を図ってきた。

日銀は、年率2%のインフレを持続させ、低い借入コストと低水準な債券利回りから日本を解放しようと考えている。昨年、世界的なインフレの波が日本を襲う前まで、その成功は疑わしいものだった。

現在、国内のインフレ率は40年来の高水準で推移しているが、それでも4%強に過ぎないという事実が、日本の需要が少ないという根本的な問題を物語っている。

もしそれは違うと言うなら、こう考えてみてほしい。主要な中央銀行の中で、日銀は物価上昇に対応した金利の引き上げを実施していない。実際、主要な短期金利は2016年以降、マイナス0.1%にとどまっている。また、日銀は長期金利を低水準に抑えるために「イールドカーブ・コントロール」(YCC)政策も維持している。YCC政策には、日銀が日本国債を無制限に買い入れる指値オペが含まれている。

そして長年にわたり、日銀は思うように内需を拡大することができていない。

実際、現在見られるインフレ上昇のほとんどすべては輸入品によるものである。黒田総裁はこのことを把握しており、2月下旬に国会で行われた所信表明から判断すると、植田氏もこれを理解していると思われる。

植田氏は「日本のインフレは緩やかに上昇すると思われるが、日銀の目標である2%のインフレ率が持続的かつ安定的に維持されるまでには、ある程度の時間がかかるだろう」と述べた。

日銀を研究している人なら、この手の話はどこか馴染みあるものに感じるだろう。「目標は達成するが、すぐには達成できない」。これは正に黒田氏が得意とする言い回しある。

植田氏の個人的な見解がどうであれ、世界の中央銀行のリーダー同様、総裁の立場というのは周りの状況や環境に縛られている。植田氏は、インフレ目標を持続的に達成できるのであれば、日銀は「創造性に富んだ」金融政策を提示し、金利正常化を追求すべきだと示唆し、日銀ウォッチャーにささやかな変化球を投げた。

しかし、「もし」という言葉には大きな重みがある。

円相場の動向に敏感な市場関係者は、植田氏が日銀の指揮を執ったからといって大きな変化が起きると期待しない方がいいかもしれない。植田氏の日銀入りにより進展はあるかもしれないが、革命を期待するのは無理がある。

--- DailyFX.com デイビッド・コトル著

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