円、ドル/円、ドル、GDP、日銀、FRB - トーキングポイント
- ドル/円は、15日に発表された日本の7-9月期GDPがマイナス成長だったにもかかわらず、再び落ち着きを取り戻した
- FRBと日銀の金融政策は、それぞれの債券市場に引き続き、重くのしかかる
- 日本の一人当たりGDPは依然として低水準。日本のCPIはドル/円を動かすか?
14日のニューヨーク外国為替市場で円相場は、失望的な内容となった2022年7-9月期の国内総生産(GDP)には目をつぶり、ドル/円は140.00をわずかに上回る水準で推移した。
日本の2022年7-9月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.3%減と、予想(0.3%増)および前期(0.9%増)を大きく下回った。
年率換算(季節調整済み)でも1.2%減と、予想(1.2%増)および前年同期(3.5%増)を大幅に下回った。
市場では先週10日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)を受け、インフレ上昇ピッチが緩やかになったとの見方が強まり、ドル高の勢いが衰えていた。
米CPIの軟化をきっかけに、米連邦準備制度理事会(FRB)はこれまで考えられていたほど利上げを積極的に実施する必要はないとの観測が浮上したためだ。
ただ、このような市場の思惑は、その後の取引である程度覆され、米国債利回りは底堅く推移している。10年物国債は米CPI発表直後に3.81%まで下落したが、その後は3.86%近辺で推移している。
14日のドル/円もニューヨーク取引時間の引けにかけて小幅上昇し、15日のアジア太平洋地域での取引に続いている。
米国債利回り、日米の国債利回りスプレッドおよびドル/円の関係は、下図で見ることができる。
日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)により、債券スプレッドは主に国債利回りの動きによって決定される。きょう発表されたGDP数値は、日銀が緩やかな金融政策を維持することを示唆しているかもしれない。
10年債、日米の10年債利回りスプレッド、ドル/円
資料:TradingView
FRBのクリス・ウォーラー理事は13日、FRBはタカ派的な政策を終えていないと考えていると改めて強調した。
ウォーラー氏は13日の発言の中で、「インフレ率を下げるまでには長い道のりがある。金利は上がり続け、インフレ率が目標に近づくまで、しばらくの間は高いままだろう」と述べた。
FRBのインフレ目標値とは、10月の米CPIが示した7.7%ではなく、2%に近いものである。
ウォーラー氏はまた、先週10日の米CPIの鈍化は一つのデータに過ぎないと強調した。他の理事の何人かも、以前に同様の考えを示してている。
そして14日には、FRBのラエル・ブレイナード副議長が、近いうちに利上げペースを緩める可能性を示唆した。
日本の2021年までの一人当たりGDPは、米国の69,288ドルに対して、42,940ドルだった。これは、経済成長の道のりが日本にとって厳しいものになることを示している。
今後数日間は、鉱工業生産、機械受注、全国消費者物価指数など、さらに多くの日本の経済指標の発表が予定されている。
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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