※2023年4月11日9時8分更新。
植田日銀総裁、日本銀行、金融政策修正、日本株、上昇トレンド―トーキングポイント
植田バズーカ発動へ視界良好
植田日銀体制が始動した。昨日は植田日本銀行総裁及び内田・氷見野両副総裁の就任記者会見が行われたが、当面の金融緩和継続スタンスを示し、早期の金融政策修正は示唆されなかった。しかしながら、４月の会合に向けて日銀の金融政策変更に対する思惑は燻り、日本株や円相場の変動要因となろう。
米国の市場予想を下回る経済指標を受け、米国金利は低下基調なものの、日本10年国債利回りは上昇基調、上限である0.5％に近い水準で推移していることは、市場参加者は日銀の金融政策修正に対して警戒感を抱いている証拠であろう。
日本10年債利回りと米国債利回り
資料：Trading Viewより作成
昨年末に日銀が、現行の金融政策の副作用対策としてイールドカーブコントロール政策（YCC政策）を修正した際、日本株は一時下落したものの、その後金融セクターの収益改善期待等から日本株は上昇に転じた。4月27、28日に日銀新体制での初の金融政策決定会合が開催される。仮に金融政策の修正が実施された場合、昨年末の政策修正時同様、金融セクターの収益改善期待から日本株が上昇する可能性もあるが、足元の日本株の見通しは？
日経平均株価テクニカル分析：強気
日経平均株価先物の4時間足チャートは、サポートラインが維持されており、３月16日からの上昇トレンドが維持されていることを示している。また、MACD（移動平均収束拡散手法）ラインはシグナルラインを上抜けておりおり、上昇トレンドを示唆している。
日経平均株価先物日足チャート
資料：Trading Viewより作成
長期のトレンドを見るために日経平均株価の月足チャートを確認すると、20年移動平均線が30年移動平均線を上抜けており、5年・10年・20年・30年移動平均線が全て上向き、かつ上から順番に並んだ強気状態にあることを示す「パーフェクトオーダー」が成立している。
日経平均株価月足チャート
資料：Trading Viewより作成
TOPIX（東証株価指数）の月足チャートでも同様にパーフェクトオーダーが示現、強気シグナルを発しており、日経平均株価と合わせて日本株の上昇トレンドを示している。４時間足も強気シグナルが点灯しており、日経平均株価先物は水平レジスタンスである28,300円を上方ブレイクできるか注目したい。一方、今週発表の米国インフレ率が市場予想を大幅に上回り、米FRBの利上げ見通しが大幅に上昇した場合等は、日本株を含むリスク資産に逆風となることが見込まれ、水平サポートラインである27,370円でサポートされるかに注目が集まる。
東証株価指数（TOPIX）月足チャート
資料：Trading Viewより作成
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
