※2023年5月17日14時52分更新。
日経平均株価、日本株、GDP、弱気、テクニカル―トーキングポイント
- 日本経済は底堅く、日本株のプラス材料
- 投資家は依然として日本株に弱気であり、一段高を示唆?
- このような中、日経平均株価のテクニカル面の動きは?



力強い日本経済
日本のGDP成長率が公表され、事前予想を上回る結果となった。先行きもインバウンド需要や緩やかであるものの中国の経済再開の恩恵等を見込む。米国や欧州等の経済が今までの利上げによる悪影響が懸念される中、日本経済が底堅く推移していることは日本株にとってプラス材料であろう。

日本株堅調も健全な上昇
日本株が堅調である。3月の金融危機以降の海外株に対する出遅れを取り戻している。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。3月9日以降のパフォーマンス。起点を100として指数化。
日本のバリュー株とグロース株のパフォーマンスに大きな違いはない。このことは、特定のセクターや株式に偏っておらず、日本株全体が上昇していることを示している。日本株全体が上昇していることは、特定のセクターや株式のみの上昇による過熱感がなく、健全な上昇である。このことは、今後も日本株式市場の上昇が継続する可能性を示唆している。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。年初来のパフォーマンス。起点を100として指数化。
投資家が弱気であることはチャンス?
日本株に対する見方は依然として弱気な投資家が多い。日経平均のオプションから算出されるプットコールレシオにて確認できる。プットコールレシオは値が低下するほど強気な投資家が増えていることを表し、値が上昇するほど弱気な投資家が増えていることを表す。現在は一時に比べ値が低下(強気な投資家が増えている)しているものの、過去と比べると値は高く、弱気な投資家が依然として多いことを示している。このことは、依然として弱気な投資家が強気に転じ、日本株を購入(やコールオプションの購入)することで日本株が上昇する可能性がある。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
日経平均テクニカル分析:強気



20日移動平均線からの乖離率は約3.6%程度と過去と比べて乖離率は高くない。TOPIXグロース及びバリュー株の動きと整合的であり、日経平均の最近の上昇には過熱感がないことを示している。過熱感がないことは一段の上昇余地があることを示唆している。また、強気の「三役好転」が成立しており、上昇トレンドの継続を見込む。日経平均株価(先物)は2021年9月高値:30,620円への上昇が視野に入る。
日経平均株価先物日足チャート

資料:Trading View
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著