ゴールド、輝きに陰り:利下げ期待後退で上昇止まる、週間見通し
2024 02 03, 午後 06:00 +00:00※2024年2月5日9時45分更新
今週のゴールド価格は上値の重い展開となりそうだ。予想外に強かった米雇用統計を受け、FRBの利下げ観測が後退したためだ。ゴールドの上昇にブレーキがかかっている。
ゴールド価格の週間見通し - 弱気
- 力強い米雇用統計を受け、ゴールドの上昇にブレーキ
- 後退し続ける米早期利下げ期待
先週金曜に発表された1月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が前月比35万3,000人増と、予想(18万人増)を大きく上回り、市場を驚かせた。さらに、2023年12月の雇用者数は21万6,000人増(速報値)から33万3,000人増へと大幅に上方修正され、平均時給は前年同月比4.5%増と予想(4.1%増)を上回ったうえ、前月分は4.3%増(速報値4.1%増)に上方修正された。
米雇用統計(2月2日発表)
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米国の労働市場は引き続き堅調で、米連邦準備制度理事会(FRB)にとっては利下げを開始する時期を決めるにあたり、今後数週間にわたってインフレ指標を精査するための時間が与えられることになる。ここ数週間、広く予想されていた3月の利下げは、現在ではますます可能性が低くなっており、2024年の利下げ幅予想は合計125ベーシスポイントと、年初の約150ベーシスポイントから縮小している。
先週は、大型ハイテク株マグニフィセントセブンのうち5銘柄が決算を発表するなど経済イベントや経済指標の発表が目白押しだったが、今週はリスク心理が大きく動かされるような注目イベントは少ない。米連邦公開市場委員会(FOMC)のブラックアウト期間が過ぎたため、米連邦準備制度理事会(FRB)からの新たな発言に関心が集まりそうだ。
米金利は以前の予想よりも長く据え置かれる見通しであることを鑑みると、利子のつかないゴールド(金)は目先、上昇しづらいと言える。中東での緊張が高まれば、安全資産の逃避先として貴金属が買われるかもしれないが、ゴールドの支配的な原動力は利下げ後退観測であることに変わりはない。
ゴールドは現在、2,033ドルと20日および50日単純移動平均線付近の水平サポートを試している。短期的に高値を切り下げ続けており、買い手が参入しない限り、ゴールドは2,010ドル、そして2,000ドル付近のサポートを試す可能性が高い。今後数日間、上値は限られそうで、直近の高値2,065ドルの突破は難しいように見受けられる。
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ゴールド 日足チャート
資料:TradingView
個人トレーダーのデータ(IGクライアントセンチメント)によると、ゴールドを取引するトレーダーの53.76%がネットロング(買い持ち)にしており、トレーダーが保有するロングとショートの比率は1.16対1となっている。ネットロングを保有するトレーダー数は昨日より6.08%少なく、先週より12.28%少ない一方、ネットショートを保有するトレーダー数は昨日より26.89%、先週より18.84%それぞれ増加している。
我々は通常、群集心理に対して逆張り的な見方をするが、トレーダーがネットロングに傾いているということは、ゴールド価格が引き続き下落する可能性を示唆している。
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変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -5% | 2% | -2% |
週次 | -5% | 14% | 3% |
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