※3月23日8時55分更新。
原油価格、FOMC、米ドル安-トーキングポイント



原油は底堅く推移
注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)では0.25%の利上げが実施された。パウエル議長がインフレ抑制を優先していることを嫌気し、株式市場は下落した。また、一部で期待されていた利下げ転換についても「基本シナリオ」でないと述べたことも嫌気された。一方、声明文からは今後の複数回の利上げを示唆する「継続的な」という表現が削除、またFOMC参加者が予想する23年末の政策金利の水準を据え置いた(5.1%)ことを背景に、米国債利回りが低下、為替/FX市場では米ドル安が進行した。利上げ停止を検討したことをパウエルFRB議長が明らかにしたことも米国債利回り低下、USドル安進行に寄与した。
USD指数(DXY指数)、米国10年債利回り、米株(S&P500先物)、原油(WTI)1日の動き

資料:Trading Viewより作成
株式市場は下落したものの、ドル安進行を受け、前日比で原油価格は上昇した。原油価格は米ドル建てで決定されていることから、米国外から見た場合、米ドルが安い(高い)ほど原油が多く(少なく)買えるため、米ドル下落時には原油価格が上昇する傾向がある。FOMCを受けた原油価格の見通しは?3月初旬からの下落トレンドは継続するのか?
原油価格(WTI):下落トレンド継続
RSI(相対力指数)は39.6と売られ過ぎの水準ではない。20,50,200日移動平均線は全て下向きであり、下落トレンドを示している。原油価格は、下降レクタングルパターンを形成していたが、サポートラインを先週下方ブレイクし、下落トレンドが再開している。また、過去数日の原油価格は上昇しているものの、下降レクタングルのサポートラインであった70.3がレジスタンスに転換していることが確認でき、下落トレンドは明確であるように思われる。下降レクタングルパターンの幅からは57.5ドル近辺までの下落することが見込まれるが、まずは2021年12月後半の安値66.15、更には12月前半の安値62.46が視野に入ろう。
原油価格日足チャート

資料:Trading Viewより作成
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著