※2023年4月12日15時35分更新
原油、ドル、WTI、ブレント、OPECプラス、逆ざや、RBOBクラックスプレッド、ボラティリティ - トーキングポイント



原油先物相場は先週、供給問題を背景に2カ月ぶりの高値を付け、その後は高値圏を維持している。
11日のニューヨーク原油先物が上昇したのは、米シリコンバレー銀行などの破綻後、数週間にわたって乱高下した米国債利回りの動きが一服し、全般的にドル安になったためと思われる。
この銀行問題はまだ解決していないかもしれないが、市場は今のところ、規制当局の対応に納得しているようである。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成されるOPECプラスが協調減産を発表して以来、原油の値動きはレンジ内にとどまっている。ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)期近物は、OPECプラスの減産発表後に上昇し、その後は79ドルから81.81ドルの間で取引されている。
先物価格がじりじりと高値を更新する一方で、OVX指数は低下しており、このような市場の基本構造を背景に、原油相場はさらに上昇する可能性がある。
OVX指数は、S&P 500種株価指数のオプション取引の値動きを基に株価変動率を算出するVIX指数と同様の方法で算出され、オプション市場から原油価格のボラティリティを予測する際に使用される。
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ボラティリティが低ければ、市場は現在の価格水準を適正と判断しているのかもしれない。同時に、先物市場では期先物よりも期近物の方が高い逆ざやの状態に戻った。
逆ざやは、決済に最も近い先物契約が、その後に決済される契約よりも割高になる際に発生する。これは、待たずに即座に受け渡しができるなら、高い金額を支払う意思があるという市場心理を浮き彫りにしている。
WTI原油先物は受け渡し可能な契約であり、文字通り、トレーダーがその契約の最終取引日にポジションを持っている場合、現物の原油を引き渡すか受け取らなければならないことを意味する。
強気な見通しをさらに後押ししているのは、RBOBのクラックスプレッドで、このところ、じり高となっている。これは、WTI原油先物と石油製品であるガソリンン価格を比較した指標であり、製油所の利益率を反映している。
RBOBは含酸素改質ガソリン基材を指し、ニューヨーク市場で取引されているガソリンの銘柄である。製油所の収益性が高まれば、原油の需要増につながる可能性がある。
WTI原油先物、クラックスプレッド、逆ざや/順ざや、ボラティリティ (OVX)
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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