※2023年5月25日14時56分更新
原油、WTI、OPECプラス、カナダの山火事、米EIA - トーキングポイント



原油先物相場は、ドルと米国債利回りが上昇しているにもかかわらず、24日の米国時間に上昇した流れを引き継ぎ、25日午前のアジア市場でも値を上げた。
サウジアラビアのアブドルアジズ・ビン・サルマン・エネルギー相はブルームバーグ主催のカタール経済フォーラムで23日、「どこの市場でも投機筋が居座っているが、彼らには痛い目に遭うだろうと警告し続けている。彼らは4月に痛い目に遭った。私が手の内を見せる必要はないが、私はポーカープレイヤーではない。(中略)ただ、彼らに気をつけなさいと言いたい」と述べ、原油買いに弾みがついた。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国で構成されるOPECプラスは4月上旬、日量110万バレルの減産を発表した。これを受け、原油先物相場は2022年11月以来の水準まで上昇した。
現実には、OPECプラスは生産目標を達成できないことが少なくない。OPECプラスの意図についてさらに深く掘り下げるには、グループ会社が主催するtastyliveのイリヤ・スピバック氏の番組MacroMoneyでの放映(英語のみ)をご覧ください。
資料:ブルームバーグ、作成:イリヤ・スピバック
24日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫では、在庫が大幅に取り崩され、先週の在庫増加分以上に減少が進んだ。
5月19日に終わる1週間の原油在庫は、1,245万6,000バレル減少した。前の週は504万バレルの増加だった。
その他、カナダの山火事は今のところ、ある程度収束したようで、原油の生産と供給は通常操業に戻ったと報じられている。
今のところ、ショートスクイーズが発生しているようだが、現時点ではさらなるショートカバーが進んでいるかどうかは未確認である。



WTI原油先物のテクニカル分析
24日米国時間のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は74.73の高値を付け、レジスタンスを突破した。34日および100日単純移動平均線(SMA)は、価格のすぐ上に位置しており、それぞれ75.15、76.92付近でレジスタンスとなる可能性がある。
下降局面では、過去にレジスタンスだった73.60付近の水準がサポートとなる可能性がある。さらに下降すると、69.41、66.82、66.12、64.36、63.64、62.43のブレイクポイントと過去の安値がサポートとなるかもしれない。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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